『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ6
公開日:
:
最終更新日:2018/12/24
下町ロケット2原作ゴースト編
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」の原作のあらすじネタバレ「第六章 島津回想録」です。未読の方はお気をつけください。
Contents
前回まで
コンペで佃製作所のバルブが選ばれました。しかしその後すぐに、大手トランスミッションメーカー「ケーマシナリー」から、ギアゴーストは特許侵害の指摘を受けました。奔走する伊丹。ケーマシナリーとの交渉は決裂。ライセンス料として15億円を要求されます。
銀行からの融資も望めず、どこかの傘下に入ることを覚悟する伊丹。資本提携先を探して訪れたヤマタニ浜松工場で、工場長の入間から佃製作所を勧められました。
10月14日放送の第一話の感想はこちら。ドラマ「下町ロケット2」ゴースト1話あらすじ感想 泥くささとハイスペック
まとめ記事はこちら。
島津回想録
伊丹と島津が佃製作所を訪れた理由
伊丹と島津は、佃製作所を訪れました。伊丹は、主力製品のT2の副変速機に対して、ケーマシナリーの特許侵害の指摘を受けたことを話します。ギアゴーストの存続をかけて15億の出資をしてほしい、所有の株式も渡す、が社員の雇用はそのままでと頼み込む二人に、驚いた佃は時間の猶予をもらいます。
神谷弁護士の見解、クロスライセンスとは?
話を聞いた佃製作所の顧問弁護士、神谷の顔は厳しいものでした。ケーマシナリーの親会社であるEZTは、米国で大手の法律事務所と組み、知財訴訟で荒稼ぎをしている、相手の弱みに付け込んでライバルを潰すことを平気でやる会社なのだといいます。
佃と神谷弁護士は、設計図の副変速機と、ケーマシナリーの先行特許を照らし合わせて、検証していきました。厳しい表情の神谷。
神谷は、現時点で試してみるべき対抗手段として、クロスライセンス契約を提案しました。
もしケーマシナリーの製品の中に、ギアゴーストの特許侵害をしているものがあれば、その特許の使用ライセンスを渡す代わりに、副変速機のライセンスをもらう。特許の使用許可の交換ができれば、多額のライセンス料にはならないし、逆にこちらが多くもらうこともあり得る、と。やってみる価値はあります。
佃がギアゴースト買収に興味があることを知っている、神谷の提案
しかし、佃がギアゴースト買収に前向きであることを知っている神谷。神谷は、「ケーマシナリーの特許侵害を見つけるためのリバースエンジニアリング」を、誰がやるかで、ギアゴーストの買収の話が変わってくることも指摘しました。
ギアゴーストが解決してしまえば、買収話そのものが無くなる、一方で、佃が特許侵害を見つけたら、内緒にして、ギアゴーストを安価で買収することもできる、それは佃の判断に委ねられました。
タダ同然でギアゴーストを手に入れられる可能性。佃の決断は?
佃から話を聞いた殿村、津野、唐木田、山崎。
『クロスライセンス契約が取れるくらいの特許侵害を、自分たちで見つけられれば、ケーマシナリーとの交渉の切り札となり、タダ同然でギアゴーストを手に入れられる。』
佃は、クロスライセンスを伊丹に提案することにしました。秘策を得て、タダ同然に買収すれば、後になってギアゴーストがこれを知った時に問題になると思ったからです。
「会社でも人と同じで道徳的に正しいかが重要、相手への思いやりや尊敬がなかったらビジネスも成り立たない。」
ほかの皆にも異論はありませんでした。リバースエンジニアリングも手伝うことにしました。
伊丹にクロスライセンスを伝えた佃が感じた疑問
佃は、伊丹にクロスライセンスのことを伝えました。考えたこともなかったようでしたが、やってみる価値がある、と一条の光を見たような声。リバースエンジニアリングも佃製作所でも手伝うというと、伊丹は感謝して電話を終えました。
ギアゴーストの顧問弁護士がなぜクロスライセンスを提案しなかったのか、不思議がる佃。殿村も同意しますが、「その顧問弁護士には荷が重いのかもしれない、神谷を紹介したらどうでしょう」と提案します。
不敗神話を持つ神谷が、この敗戦濃厚な戦いの弁護を買うだろうか、難しいかもしれない、と佃は思いました。
リバースエンジニアリング開始
忙しい神谷が佃製作所を訪ねてきました。一昨日から佃研究所にて、ギアゴーストと合同でリバースエンジニアリング中です。
神谷の島津への質問
ケーマシナリーの特許申請に関する違和感
神谷は島津に質問をしに来たのでした。
副変速機を設計した時期、3年半ほど前の日付をあげる島津。設計図面が完成した日でした。
神谷は、ケーマシナリーが、島津が副変速機の設計を完成させた一週間後に、クレームを補正していることを指摘しました。
特許出願では、クレームが、特許の権利範囲を示します。ケーマシナリーの出願時の特許では、今回の特許侵害にはならなかったのが、その後、クレームが補正されたために、権利範囲が変更され特許侵害となった、とのこと。
新しい技術を開発した時、事前調査の段階では問題なくても、先行している特許申請の予期せぬクレーム補正のため、期せずして特許侵害となることもある。しかし、今回に関しては違和感があり、設計情報が外部に漏れた可能性があると、指摘する神谷。
島津は社員のことは信用しており、設計情報にアクセスできる人は限られていると言いました。
島津が特許申請をしなかった理由
島津は、副変速機の特許申請はしていませんでした。「以前から知られていた技術の応用」と解釈していたので、特許にするほどのものでないと思っていた、先行特許がないことを確認して安心していた、と。
ケーマシナリーとコンペで争ったことは?
ギアゴーストは、コンペでケーマシナリーと争ったことが何度かありましたが、ほとんど実績が無いことで負けていた、唯一の例外は愛知モータースのT2だった、と島津は語りました。
さらに神谷に質問をされ、島津は、帝国重工を辞めた理由を語ります。
天才と呼ばれたエンジニアが大きな組織を飛び出した理由
帝国重工入社に入社した理由
島津の父は自動車メーカーの技術者。島津とともにいつも車をいじっていました。島津にとって、父親は最初で最高の師匠でした。島津は父に感化され、大の車好きになりました。
大学で最先端の機械工学を学んで、恩師に勧められ自動車メーカーではなく、帝国重工に入社し、開発部門に配属されました。「レベルが低いからこそ、君の能力が求められている。」恩師はそう言って、帝国重工を勧めたのです。
帝国重工のトランスミッションは、他の大手メーカーに比べ性能面で劣っていました。設計思想は古臭く時代遅れ、保守的でもありました。
天才と呼ばれた理由
島津は問題意識を持って入社したので、入社直後から新しい発想のトランスミッションをどんどん提案しました。他にも優秀な技術者が大勢いる中で、島津は異色でした。
島津には妥協のない「こだわり」があったのです。性能だけ追求していたわけではありません。「トランスミッションが変われば車が変わる、車を運転する楽しさ、喜び、そして感動。」
島津は天才と呼ばれましたが、間もなく、それは嫉みに代わりました。
新しいアイデアを次々と出し、先輩技術者の設計を平然と否定する島津は、次第に疎まれるようになりました。
コンパクトカー用トランスミッションの開発で島津が思ったこと
入社5年目。新たにコンパクトカーに狙いを定めた帝国重工。新たなトランスミッションの開発・製品化を命じられたとき、島津はついに好機が来た、と思いました。
入社以来、CVTという、それまでの形式とはまるで違うトランスミッションの開発に携わってきたのですが、製品化の目途は立っていなかったのです。
保守的な帝国重工内では、歯車の代わりにベルトを使うCVTを下に見る風潮がありました。CVTは、無断変則が特長で、軽量、コンパクト。小型、中型車向けとされ、大排気量でパワーのあるエンジンには向かないとされ、過小評価される一因になっていました。
しかし、島津は、高速回転域で起きる様々な問題はあるもの、ほかのトランスミッションが10速まで多段階化していく流れにあるのなら、無段変速が前提のCVTは、更にその先を行くと考えていました。技術的には難しい、その難攻不落のトランスミッションの製品化に島津は取り組んできたのです。
チャンスと思い、島津は企画書を作成しました。技術者、島津裕の集大成でした。一人の心から車を愛する技術者が、最高のトランスミッションを作りたい、その情熱が詰まった企画書でした。
トランスミッション決定会議で、島津の企画はどう受け取られた?
上層部の集まった、新たなトランスミッションを決定する会議に、島津は提案者として呼ばれました。
島津は、熱を込めて、画期的なCTVの説明をしましたが、保守派の上層部にはその素晴らしさが通じませんでした。CTVのすばらしさをどれだけ熱弁しても、上層部には画期的すぎる危うい企画としてしか映らなかったのです。
挙句の果てに、今あるトランスミッションの採用実績を上げられた時には、そのトランスミッションを採用しているのは系列会社のジャパン自動車である、と言ってしまい、上層部の反感を買ってしまいました。
ギアゴースト誕生の背景は?
会議は終わり、間もなく島津は総務部への移動を命じられました。そこで、同様に総務部に飛ばされた伊丹に声をかけられました。
伊丹は、独自のビジネスモデル、島津は天才的な技術を持ちながら生かす場所がない、この2つを組み合わせよう、こうしてギアゴーストが生まれたのです。
続きます。『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ7
下町ロケット最終話(11話)の感想はこちらです。下町ロケット最終話(11話)あらすじ感想 徹底的に泥臭く。走れ!ランドクロウ
「下町ロケット」10話の感想はこちらです。下町ロケット10話 あらすじ感想 混ざった水と油。無人トラクターが殿村家の圃場を走る。
「下町ロケット」9話の感想はこちらです。下町ロケット 9話 あらすじ感想 佃の参戦。ここからは実験じゃなくて本番。
「下町ロケット」8話の感想はこちらです。下町ロケット8話 あらすじ感想 オリジナルとコピー 藤間社長の続投
「下町ロケット」7話の感想はこちらです。下町ロケット7話 あらすじ感想 動き出した最悪に鈍足なカメと下町トラクター
「下町ロケット」6話の感想はこちらです。下町ロケット6話感想あらすじ ロケットで思い出した原点 ヤタガラスがもたらした夢
「下町ロケット」5話の感想はこちらです。下町ロケット5話あらすじ感想 トノへの不満さく裂。スーツの稲刈りで宇宙を想う。
「下町ロケット」4話の感想はこちらです。下町ロケット4話あらすじ感想 裏切ってウィン⁴ 佃製作所の恩人が去る日
「下町ロケット」3話はこちらです。 下町ロケット3話 あらすじと感想 田植えデートと結婚への障害
「下町ロケット」2話はこちらです。 下町ロケット2話 あらすじ感想 マングースの案でヘビ野郎に対抗
「下町ロケット」1話はこちらです。 ドラマ「下町ロケット2」ゴースト1話あらすじ感想 泥くささとハイスペック
まとめ記事はこちら。
感想と補足
佃製作所に資本提携を頼みに来た伊丹と島津。会社の存続をかけたものであることに、驚きを覚えた佃。とりあえず返事を保留にし、神谷弁護士に相談。相手は、悪名高いケーマシナリー。神谷は、可能性の一つとしてクロスライセンスを勧めます。もしも、ケーマシナリーが、ギアゴーストの特許を侵害していれば、ライセンスを交換できる、という策でした。
この話を聞いた伊丹は、一条の光を見たことでしょう。しかし、なぜ顧問弁護士がクロスライセンスを提案しなかったか、佃は不思議に思います。神谷でも嫌がるような案件なので、普通の弁護士には荷が重すぎるのかもしれない、そう結論づけました。
佃で合同で取り組んだリバースエンジニアリング。その作業に来ていた島津に、神谷弁護士が質問をしに現れます。その中で、なぜ天才と呼ばれた島津が帝国重工を出たのかが語られました。それは、一人のトランスミッションを心から愛する技術者が、保守的な大企業に入ったが故に、辿ってしまった悲しい末路でした。
恩師の勧めで、保守的な帝国重工に敢えて入社した島津。使命感を持って入社をしたことでしょう。最初は天才と呼ばれ、次第に才能をねたまれ嫉妬を買ってしまう。上層部に至ってはプライドの塊で、斬新すぎる意見を聞こうともしない。島津が魂を込めて作成した企画書は、上層部の理解の範疇を超えたものでした。
CTVを提案して帝国重工を追いやられた島津が、ギアゴーストで開発した CTV で業界トップクラスと認められる。なんとも皮肉な話です。
続きます。『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ7
10月14日放送の第一話の感想はこちら。ドラマ「下町ロケット2」ゴースト1話あらすじ感想 泥くささとハイスペック
まとめ記事はこちら。
関連記事
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ3
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」原作のあらすじネタバレ「第三章 挑戦
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ4
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」原作のあらすじネタバレ「第四章 ガウ
-
-
『下町ロケット2』原作「ゴースト」あらすじネタバレ一覧
『下町ロケット2』原作のあらすじネタバレを詳しくまとめました。原作未読の方、結末を知りたくない方、2
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ8
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」の原作のあらすじネタバレ「第八章 記
-
-
『下町ロケット2続編』ゴーストの原作あらすじネタバレ1
2018年10月から放送となる『下町ロケット』「ゴースト」原作の詳しいあらすじネタバレ「第一章 もの
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ7
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」の原作のあらすじネタバレ「第七章 ダ
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作 あらすじネタバレ5
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」の原作のあらすじネタバレ「第五章 ギ
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ2
2018年10月から放送となる『下町ロケット ゴースト編』原作のあらすじネタバレ「第二章 天才と町工
-
-
『下町ロケット2』続編ゴーストの原作あらすじネタバレ9
2018年10月から放送となる『下町ロケット2続編』「ゴースト」の原作のあらすじネタバレ「第九章 青
Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/ohcbxvri/public_html/ruriblue.com/wp/wp-content/themes/stinger3ver20140327-3/single.php on line 124