初めて恋をした日に読む話 7話 あらすじ感想 順子を抱きしめる匡平。「タメでも絶対見つけてたよ。」
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最終更新日:2019/06/05
初めて恋をした日に読む話 横浜流星
花恵会に入塾することになった匡平。最初は不本意でしたが、百田の腕は確かだと認めざるを得ません。百田が、匡平を特別扱いするのが気に入らない、百田のファン・島崎は、ある時、百田が学歴詐称をしている事実に気づき、ネットにさらしてしまいます。
百田の正体がかつての同級生・牧瀬だと知った順子は、花恵会に行きます。クビになるけど、匡平を預かり合格させたいと言う百田。順子は、百田の寂しさを埋めるために匡平をあげないと言ったうえで、改めて、百田の助けを願い出ました。
帰り道、あげないと言ってくれて嬉しかったと、匡平は順子を抱きしめました。立ち去る匡平を見て、順子は自分の中に芽生えた感情が、かの有名な嫉妬だと気づいたのです。
Contents
燃え尽きたボクサー
花恵会に入塾する匡平
順子(深田恭子)から、東大合格率80%の東大に特化した塾・花恵会への入塾の話を聞いて驚く匡平(横浜流星)。難関高校の生徒のみ入塾できるところを、匡平は特例で、入塾許可が下りました。
嫌がる匡平でしたが、とりあえず体験入学に行くことになり、エンドー(永田崇人)たちもくっついてきました。花恵会のそばで百田(高梨臨)に会います。エンドーたちは、チョーきれい、上品、と百田に夢中です。
百田は、花恵会の中を案内してくれました。百田は27歳。UCL卒。University college London。ノーベル賞学者をじゃんじゃん輩出している世界トップクラスの大学です。
『学歴、実績、若さ、お金。私にないものを全てお持ちでらっしゃる』
母の心境、巣立っていくひな鳥
中は広い自習室に、コーヒーなどの用意、タブレットの貸し出し、仮眠室、順子の塾とは大違いです。塾なんて先生と机があればいいと不満げな匡平。百田は、ハッキリした性格の匡平が気にいりました。まずは授業を受けることになり、百田は匡平の腕を取ります。順子とは違い、積極的に触ってくる百田から慌てて離れる匡平。匡平は、不安気に順子を振り返ります。
順子「頑張れ!」
うなずいて、匡平は百田に従いました。
順子「何だか巣立っていくひな鳥を見送る気分。」
「母ちゃんかよ。」
帰ろう、と匡平を茫然と見送る順子を引っ張るカブ(櫻井圭祐)。百田は、帰っていく順子をじっと見つめました。
真っ白な灰。燃え尽きたボクサー
山王ゼミナールで落ち込んでいる順子を、他の講師たちが気にしています。
「なんや真っ白な灰になって燃え尽きた」「ボクサーみたいですね。」
塾長(生瀬勝久)に、今は理数3科目とは言え、そのうち、文系も花恵会に通いたがるのでは、と言われ、自分の立場を再認識した順子。
『そうだ!ふぬけてる場合じゃない。私は私でできることをやらなくちゃ。』
ここやべえ!モモちゃん先生
匡平をライバル視する島崎
授業が終わり、百田が質問を受け付けます。生徒は、「モモちゃん先生」と呼んで、質問に押し寄せます。
そこへ男子生徒が匡平に話しかけてきました。
島崎「すごい髪だね。もしかして、由利君もモモちゃん先生目当て?かわいいよな。あの見た目でUCL。しかも授業も分かりやすくてさ。」
教室から出ていこうとする匡平を呼び止める百田。補習をするから自習室で待っているようにと言われました。
「生徒が講師囲んでチヤホヤする空間がやべえ!」
順子に電話する匡平。
「おい、何なんだよ、ここ。やべえぞ。」
順子「やべえよ。そりゃ東大受験専門だもん。」
匡平「じゃなくて、生徒が講師囲んでチヤホヤしてる空間がやべえ。」
百田は人気講師。百田の担当したクラスは、ここ3年で合格率が8割以上なのです。東大理数の実績は確かだと順子は言いました。しかし、大人数のクラスに疲れる匡平。
順子「そうだぞ。いつもの先生が人気がないことに感謝しろ!」
やっぱり理数も順子に、と言う匡平ですが、順子はきっぱり断りました。
匡平を特別扱いする百田
自習室で、匡平に補習をする百田。先ほどの授業を説明してもらい、納得する匡平。
「分からないことは恥ずかしいことじゃないから、これからはちゃんと質問してね。」
そこへ島崎も質問に来ましたが、百田はあとでと言いました。それを面白くなさそうに見ている島崎。
「さっきの電話、春見先生?ずいぶん信頼してるのね。髪の毛すごいね。どれぐらいの頻度で染めてるの?」
百田が、匡平の髪を触ろうとするのを、慌てて避ける匡平。一瞬固まりましたが、百田は補習の続きをしました。二人の様子をじっと島崎が見つめています。
嫉妬は恋の始まり
百田の腕を認める匡平
匡平は、順子の授業を受けています。東大のリスニングは難易度より長さ。数分間の英文を聞き続ける集中力をつけるため、模試まで毎日30分英文を聞き続けるように指導しました。匡平用にリスニング教材も作成中です。
花恵会は、宿題の量は半端ではないものの、百田は匡平のレベルに合わせて、無理すれば手の届く問題を出してくれていると言いました。
「うぜえとこあるけど、春見の言うとおり腕は確かかも。」
美和の運命の出会い
ハングリージャングルで、順子と話す美和(安達祐実)。順子は、リスニング教材を作るため本を読んでいます。
美和「ホントにあるんだね。運命の出会いって。私が官兵衛で彼が秀吉だから、戦国武将占いの相性もピッタリだし。売れないダンサーって言っても、まあお金なら持ってるし。ああ、でもさ~、出会いが順子の高校の同窓会の帰りだったから、バツイチ子持ちのOL設定にしちゃってさ。今日も着替えて~」
美和は、大人しめの服装ですが、それをゴリさんに仮装と呼ばれました。そこから、もうすぐハロウィーン、仮装パーティーにすれば売り上げが伸びるという話になりました。
順子の嫉妬
しかし、何も聞いていない様子の順子。ユリ平の授業は減ったとはいえ、休むどころではありません。
「新しい塾に入って私の頼りなさに気づかれないように、身を粉にして血尿出るまで頑張る!」
27のモモちゃん先生の話を聞いて、美和はそれは順子の嫉妬だと指摘します。
「鈍感なんだか、意識高すぎなんだか。それってさ嫉妬でしょ?講師としても女としても。」
「えっ?」
「嫉妬。ユリ平、取られるんじゃないかって。」
順子は否定して、のんびりしていられない、と帰ることにしました。
嫉妬は恋の始まり
そこへやってきた雅志(永山絢斗)。立ち去ろうとする順子を引き留めて、この間の「雅志にだけは知られたくなかった」について詳しく話をしたがります。
順子「そのことは今度でもいい?ちゃんとしておきたいから。」
雅志「ああ、そうだな。うん、ちゃんとしないとな。」
勘違いして、幸せな雅志。順子を送り出して、美和の隣に座りました。
美和「あーあ、心温まるね。あんたの意識の低さ。嫉妬は恋の始まりだからピンチかもしれないよ。」
モモちゃん先生という27歳の女講師、ライバルの登場だと言うのです。
先生は見送るのが仕事
雅志に振られた牧瀬
花恵会
授業中。島崎が百田に質問をしています。1つ質問が終わったところへ、匡平が手を挙げました。さらに質問しようとする島崎ですが、百田は匡平のところに行ってしまいます。それが面白くない島崎。
匡平の質問に答えながら、スケッチブックに気づいた百田は、順子に勧められたのかと尋ねました。順子の東大出のいとこ、と匡平が言うので、そのいとこが男性か、順子が独身かと尋ねる百田。
一人、百田は、この間の高校の同窓会の案内をみて、高校の時のことを思い出します。
牧瀬朋奈「よかったら私とつきあってください。」
雅志「ごめん無理。ていうか俺と話したことないよね?」
そこへ、現れた牧瀬の友達。学年一番人気の牧瀬を振るなんてありえない、と言います。そこへ順子が通りかかったので、雅志は順子に話しに行ってしまいました。牧瀬を気遣い、順子をにらみつける友達。
匡平に会いに、南校にやってきたエトミカ
教室で寝ている匡平を取り囲むエンドーたち。そこへ現れたエトミカ(吉川愛)。最近塾でも匡平に会えないので、ランチを一緒にしようとやってきたのです。
エンドー「他の学校のやつが何でいんのよ?」
エトミカ「えっ、南高なんて、外部から不審者入るより、生徒外に出したほうが迷惑っしょ。」
ナラ「エトミカは人として、大事なものが欠けてんな。」
大声で匡平を起こすエトミカ「匡くーん!起きてー!」
目覚めた匡平に、卵サンドかツナサンドか聞きますが、匡平はもうランチは済ませていました。ぞんざいに、エンドーたちに同じ質問をするエトミカ。
木佐「ツナサンド!」
木佐(若林拓也)が喋ったことに驚くエンドーたち。木佐は、エトミカからツナサンドを受け取り、頬がピンクに染まります。
自己評価高めの元ヤンこじらせ教師
そこへ現れた一真(中村倫也)。匡平に、無理せず保健室に行くようにと勧めます。
「気にすんな。東大目指してるやつに、うちの学校の授業なんか、クソの役にも立たねえよ。」
エトミカ「話早いね、先生。イケボだし。」
興奮して話すエトミカを、一真は目をパチパチして見つめました。
「つかよく見ると結構ヤバくない?自己評価高めの元ヤンこじらせ教師って感じ。」
一人で話して、エトミカはさっさと帰ってしまいました。
一真「お前、塾二つ通ってるらしいな。」
匡平「春見が理数は専門のとこに行けって。」
一真「あいつはホントにお前のこと考えてんだな・・・」
その言葉を聞いて、嬉し気に少し笑う匡平。
先生は見送るのが仕事
居酒屋
一真は、匡平の話と言って、順子を呼び出しました。匡平が花恵会に入ったことを話します。
一真「なんか、あいつキラキラしてきたな。いやギラギラっていうか、うん。顔つき変わった。」
恋に勉強に有意義な高校生活、うらやましいくらいだと。順子は、匡平に幸せになってほしい、自分よりもずっとと言いました。
同窓会に行った一真は、楽しかった、学校が嫌いだったのに、ホントはずっとあの場所にいたくて、教師をやっているのかもしれない、と言います。
順子「先生って見送るのが仕事だもんね。よく考えたらさみしいね。」
一真「まあ、嬉しくもあるけどな。あいつらにとって俺らなんていらなくなった時が仕事完了だから。」
『私はそのさみしさに耐えられるかな』
7秒で好きになった雅志
順子よりもハイスペックな百田
山王ゼミナールにやってきた百田。順子が、匡平を花恵会に入れるために、匡平の悪いデータは意図的には出さなかったことを見抜いていました。正確に知っていた方が教えやすいと言うのです。
百田を見かけたエトミカは、超やばいと言います。仕事ができて高学歴、年齢も若い。
「全部春見先生よりハイスペックじゃん。」
「いかにも。」
嫉妬しないのかと言われて、一番人気の先生に教えてもらえて感謝しかないと順子。
恋は欲望
ハングリージャングルで話す美和と雅志。
ちゃんと話そうってことは、順子もそのつもりと思い込んでいる雅志は、次のデートは記念になる場所をと思っています。なんだかいつもと違う様子の雅志に美和は首をかしげます。
一真の言葉を思い返す雅志。
「それでも男かよ。30も過ぎてんのに。」
雅志「てか松岡が言ってたんじゃねえか。相手の幸せを願ってても恋はかなわない。恋は欲望。」
美和も声を合わせます。
雅志のせいでいじめられた順子
いつから順子のことを好きだったのかと尋ねる美和。昔からモテたと言う雅志。しかし、そのせいで、高1の時、順子がいじめられたのです。
「あの頃、あいつ、やばいぐらい優等生で、あの母親の言うこと素直に聞いて、俺の何倍も努力してて、却ってそれがもろく見えた。いつも追い詰められるように勉強してて、誰といても一人みたいな目してた。本当は誰にも見えないところで、一人で泣いてるんじゃないかって。」
ある日、順子の教科書が破られていました。授業中、その破られたページを読むように当てられた順子。順子はそのページを暗唱したのです。目論見が外れた牧瀬の友人たち。
鞄がなくて捜しまわる順子。順子の鞄は、プールに投げ捨てられていました。真っ暗な中、それを拾う順子。心配する雅志でしたが、順子は、泣いてなんかない、と立ち去りました。それを陰から見ている牧瀬。
7秒見つめてみた雅志
高校のころの雅志のモテ具合に驚く美和。
「そんなにモテてて、何で今こんな仕上がりなわけ?ねえねえねえねえねえ。試しに順子のこと、7秒見つめてみたら?」
「そんなこと、もうやったに決まってるだろ!」
順子をいじめていたのは、牧瀬の友人たち。雅志は、牧瀬を呼び出して話します。雅志が牧瀬を振ったので、雅志の好きな順子が嫌がらせを受けていたのです。皆が勝手にしたことと言いながら、雅志に謝る牧瀬。しかし、雅志は順子に謝れと言います。
そこへやってきた順子。自分はいじめられても傷ついてもいない、というのです。
「だけど勉強道具だけには触らないで。受験の邪魔さえしなきゃ、ハブろうが殴りにこようが、好きにすれば?」
順子が泣いていないのかと気にする雅志ですが、順子は泣くわけがないと言います。
順子を7秒見つめる雅志。『1、2、・・・』
「今度の期末、雅志が何点だろうと興味ないから。」
『3、4、5、・・・』
「私は私と勝負してるの。」
『6、7』
笑顔を見せる順子。
逆に7秒で好きになった
美和「逆に7秒で好きになったと」
雅志「何か人にどう思われるとか、勝った負けたとか関係なくてさ。全然もろくなんかなかった。」
美和「今の順はどうなんだろうねえ。」
バルコニーから入ってくる一真
嫉妬を否定する順子
匡平のリスニングの教材を探しながら、美和とエトミカの言葉を思い返す順子。
美和「それってさ嫉妬でしょ?講師としても女としても。」
エトミカ「先生は嫉妬しないの?匡君、あの先生に任して。」
慌てて否定する順子「いやいやいや!違う違う違う違う!」
バルコニーから入ってくる一真
一真に、離婚した妻・優華が会いに来ました。もう一度やり直したいと言いますが、一真は好きな人が出来たことを告げました。
その後、順子に電話し、今から会いたいと言います。夜遅くで無理、と言う順子ですが、一真はもう来ていると言って、バルコニーから入ってきました。
驚く順子ですが、一真は部屋の中に入ってきました。高校の頃、順子を待ち伏せしていた一真ですが、順子には全然気づいてもらえなかったことを話し出します。あの頃は、受験で頭いっぱい、視野30㎝だったという順子。
「やべえ優等生だったもんな。」
声を立てて笑う一真に、慌てて静かに、と指を立てる順子。うちの親ヤバいという順子に、一真も、前の嫁の親父がヤバい、怖いと言いました。
「それは不良の進化形?」
「どっちかっつうとその逆方向だな。」
しかし、意味の分からない順子。
「また負けた。」
匡平にしがみつく百田
匡平の携帯に電話した百田。ガンとして携帯の番号を教えなかった順子とは違う百田のやり方に、匡平は戸惑います。百田は、皆の前では渡せないからと、リスニング対策の教材を差し出しました。英語は順子に見てもらうという匡平に、強引に本を押しつけます。
気分転換に歩こうと、腕を組んでくる百田ですが、ヒールが、マンホールの穴に引っかかり、動けなくなりました。匡平にしがみつくようにして、ヒールを引き抜こうとする百田。その様子を島崎がじっと見ています。
匡平に嫌がらせをする島崎
自習室に戻ると、匡平のノートが破られていました。周りを見回し、島崎に目を留めます。次、邪魔したら容赦しない、そういう匡平に、南校の匡平が特別扱いされているのが納得できない島崎。
そこへ百田がやってきました。何でもないと早速質問をしようとする島崎ですが、そこへ百田のかつての教え子がやってきました。モモちゃん先生のおかげで東大に合格できたので、今日は手伝うと言ってくれるので、島崎を見てもらうことに。
百田の計算
あとで、卒業生たちとご飯を食べに行くというので、匡平も誘います。断る匡平ですが、なんでそんなノリで合格者をたくさん出せるのかと訊いてみました。
百田「勉強なんて気の持ちようだから。勝ちぐせをつけるの。解けた快感、勝った経験を与えてあげればいい。大抵、東大を目指すような子は、中高ずっとトップで来たような子達ばっかりだから、まわりに自分よりできる人がたくさんいる環境に恐怖を覚える。だから私は生徒をとことん盛り上げて優しくして、負けても持ち直せるよう、メンタルサポートしてるの。」
匡平「全部計算なんだ、それ。最初から負けてる場合は?」
百田「由利君はここにいる誰よりも強いのかもしれないね。」
負けたことはないと言う百田。
また順子に負けた百田
匡平の手を握りながら、うちに来ないか、と誘う百田。
匡平「春見は強いんです。たぶん負けたことがあるから。あいつは計算なんかできないんです。俺のことなのに。」
順子「今日は私が励ましてあげなきゃいけなかったのに。」
匡平「俺より落ち込んだり、俺にひどいこと言った親父に、春見、いきなりタンカ切ったんですよ。俺、あいつ抜きの受験なんて考えられないんで。」
帰ってしまった匡平。
百田「また負けた。」
そこへ、島崎がやはり百田に聞きたいと戻ってきましたが、百田は後にしてと邪険に扱います。立ち去ろうとしてバッグを落とし、慌てて中身を拾います。百田がいなくなった後で、島崎は、同窓会のお知らせが床に落ちているのに気づきました。
百田の学歴詐称
本当の恋を知った西大井
会社の空いている会議室でダンスの練習中の西大井(浜中文一)。ダンススクールに通い始めたと聞いて、雅志は驚きました。
「そういう人だっけ?」
いつになく、雅志が順子をデートに誘う予定を真剣に聞いてくれる西大井。
西大井「プロポーズっすか?ちょっと俺までドキドキしてきちゃった。プロポーズか。いいな~。」
雅志「えっ?だからそういう人だっけ?」
西大井「最近分かったんですよ。本当の恋を知ると人は臆病になるんだって。嘘の中にこそ真実があったんです。」
百田の学歴詐称
順子の家を慌てて訪ねてきた雅志。横浜にもんちゃんとハロウィーンの買い物に行ったゴリさんから、匡平が、昔、雅志を好きだった同級生・牧瀬朋奈と歩いていたと聞いたのです。何か嫌がらせをされていなかと順子に尋ねますが、順子は何もないと言います。順子は、高校の同級生・牧瀬朋奈のことも、嫌がらせを受けたことも覚えていませんでした。
順子に結婚式の写真を見せる雅志。それを見て、百田先生と驚く順子。年齢も27と聞いています。
そこへ西大井から雅志に電話がかかってきました。百田について調べてくれたのですが、ネットでは、有名東大専門塾講師・百田朋奈の学歴詐称と噂になっていました。
急いで花恵会に向かう順子。
百田をネットにさらした島崎
順子が花恵会に着くと、生徒たちが百田について噂しています。
「モモちゃん先生、やべえ」「どこだよ?東盟女子短大って。」「しかも33歳のバツ2って」
「島崎、モモちゃん先生好きだったじゃん。ネットにさらすとか鬼畜すぎね?クビじゃん。」
島崎「そんなの嘘ついてたほうが悪いんだよ。」
合格請負人・百田の力が必要
誰ともなれ合わない優等生
順子は、匡平を見つけ、一緒に百田に話を聞きに行きます。
百田「春見さん、久しぶり。」
順子「牧瀬さん?」
百田「すごいね。さすが誰ともなれ合わない優等生。私のことなんか、全然覚えてなかった。やっと勝ったって思ったのに。あんなに勉強してたくせに、今は地元の塾講師なんてかわいそうって。」
「ネットに出てたのは全部本当。二回も結婚失敗しちゃって。年取るごとにチヤホヤされなくなって。学歴も職歴もなくて。私そういう人になるはずじゃなかったのに。小さな塾でバイトして、そしたら生徒達が合格して。そこから必死で勉強して、ここに来たら人気出ちゃって。先生、先生ってみんなに必要とされて嬉しかったの。高校の頃に戻ったみたいで。ただ必要とされたかった。」
必要とされなくなるのが先生
百田「ねえ、由利君を私に預けてくれない?ここはクビになったけど、東大受験のノウハウなら、春見さんには負けない。絶対合格させる!」
きっぱり言い切る順子「必要とされなくなるのが先生だよ。私達は通過点なの。生徒の希望する進路に引っ張って引っ張って、最後に手を離して見送るのが仕事。いつか忘れられてもかまわない。それまで由利君は私の生徒。あなたの寂しさを埋めるために、あげるわけにはいかない。」
百田「そりゃそうだよね。」
百田の力を貸してほしい順子
順子「でも彼を合格させるためにあなたの力を貸してほしいの。理数は今までどおりお願い。合格請負人なんでしょ?」
百田「春見さん、変わんないね。あの頃からずっとかっこいい。」
順子「ううん。変わったよ。かっこよくなんかない。あの頃は人と比べたり、勝ったり負けたりなんか怖くなかった。でも今は受験に失敗して、大事なものができて強くなった分、怖くなった。負けることとか失うこととか、前よりずっと。」
百田「じゃあ、今のがもっとカッコいいじゃん。」
百田が横を通り過ぎるのを見ている島崎に、匡平が声をかけました。
「行けよ。行かねえと後悔するぞ。」
「すげえ嬉しかった」
「先生がいくら手え離しても、俺、何回でもつかみに行くんで。」
匡平「みんな、やべえ優等生、やべえ優等生だって春見のこと言うけど、どんだけだったんだよ。」
順子「やべえ優等生だったの。同い年だったら、お互い目に映らなかったんじゃないかな。」
立ち止まってじっと順子を見る匡平。「タメでも絶対見つけてたよ。春見のこと。」
順子「あっ、それはどうだろうな。私、参考書しか見てなかったから。」
順子を引き寄せる匡平。「さっき、あげない、って言ってくれたの、すげえ嬉しかった。」
匡平は順子を抱きしめました。
「先生がいくら手え離しても、俺、何回でもつかみに行くんで。」
戸惑っている順子。匡平は目を閉じています。
かの有名な嫉妬?
「じゃあな。」
匡平が歩き去るのを、順子は茫然と見送っています。
『あの時、君をあげるのはどうしても嫌だと思った。これが、これが、あの、かの有名な嫉妬!?』
「ああっ!」
口を押える順子。
6話はこちらです。初めて恋をした日に読む話6話 あらすじ感想 ユリユリの宣言「引っ込んでろ!俺んだよ!」
5話はこちらです。初めて恋した時に読む話5話 あらすじ感想 元ヤンバツイチの頑張り屋とガリ勉鈍感女「そこにパイがあるから」
4話はこちらです。初めて恋をした日に読む話 4話 あらすじ感想 匡平が手にキス。「割と今幸せなんだけど。」
2話はこちらです。初めて恋をした日に読む話2話 あらすじ感想 未来の大事な人と15歳の私
1話はこちらです。初めて恋をした日に読む話 1話 あらすじ感想 ワクワクときめき。無敵ピンクと東大を目指す
感想
花恵会で、匡平の担当となった百田。事ある毎に匡平の手を握り、腕を組んできます。携帯にも平気で電話してきて、順子先生とは大違い。しかし、教え方は確かと匡平も認めざるを得ません。でも、髪の毛を触らせるのは順子にだけなんですね。
百田先生の正体は、実は順子と雅志の同級生でした。ことある毎に、順子に挑戦的な視線を送り、匡平を自分の方へと引き寄せようとしていたのは、順子に対するライバル心だったんですね。でも、不思議です。順子さんは、百田先生のことを全く覚えていませんでした。鈍感力もここまで来るとものすごいですね。一方的にライバル心を燃やしていた百田先生が少し気の毒です。実は本人が気付いていないだけで、順子さんを好きだった男性も実はいっぱいいそうですね。
嫉妬は恋の始まり。先生としての嫉妬なのか、女性としての嫉妬なのか。百田先生の登場により、鈍感な順子さんにも少しずつ嫉妬の感情が沸いてきました。しかし、嫉妬を嫉妬と分かっていない順子さん。
百田先生の学歴詐称が判明したとき、百田先生に、教師は通過点、と言う深田さんはかっこよかったですね!深田さんのナレーションも好きなんですけど、こういう話し方もすごくカッコイイです。
寂しさを埋めるために、由利君を渡さない、そう言われて嬉しかったユリユリですが、白昼、堂々と順子さんを抱きしめてしまいました。18歳までは我慢すると言う約束。守れるのでしょうか?何かがあったら、困るのは順子先生です・・・・
しかし、抱きしめられても今一つ分かっていないようすの順子さん。匡平君がいなくなってから、これはかの有名な嫉妬か、と思い当たるあたり、順子先生らしいですね!
ところで、美和さんと運命の出会いを果たした西大井君。ダンス得意だと思ってたのですが、どうやら違う様子ですね。忙しいのに、ダンススクールにまで通い始めるなんてスゴイ入れ込みようです。美和さんもシングルマザーを名乗ってしまった以上、ごまかすのに苦労しますね。この二人の行く末がなんだか楽しみです!
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