初めて恋をした日に読む話2話 あらすじ感想 未来の大事な人と15歳の私
公開日:
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最終更新日:2019/06/05
初めて恋をした日に読む話 横浜流星
近隣の高校への出張講師。順子は、南校に行くことになりました。そこで元不良だった同級生・山下一真に再会します。今は教師の一真。理想とは違う教師になってしまった一真ですが、順子の言葉で、生徒ともう一度話すことにしました。その際、生徒に押された一真をかばおうとして階段から足を滑らせた順子。匡平は順子をかばって階段から落下、怪我をしてしまいました。謝罪に向かった順子は、匡平の父から、匡平の講師を解任することを告げられてしまいます。
朝倉女子高の生徒と合コンをした匡平たち。そのうちの一人、江藤美香が匡平を気に入り、山王ゼミナールに入塾しました。しかし匡平は美香には興味がありません。
15歳のころに書いた自分宛ての手紙を受け取った順子達。順子も雅志も15の頃の自分の希望とは正反対の人生でした。南高の一真のクラスで話をすることになった順子。自分の体験をもとにどうして勉強をした方がいいのか、真摯に話します。いつもは話を聞かない生徒たちが、静まり返って、順子の真剣な言葉に耳を傾けました。
そして匡平たちと打ち上げで酔っぱらった順子。心配でトイレに様子を見に来た匡平は、美和と勘違いした順子の「あの子に夢中なの。」と思わぬ本音を聞きました。一方、美和は、雅志が順子を好きなわけを聞き、意外な雅志の一面を見て、雅志の恋を応援することにしました。
Contents
未来の自分への手紙
「なりたい自分になっていますか?」
2017年11月。
15歳の自分から、順子(深田恭子)に手紙が届きました。
『拝啓 大人になった私へ。東大へは行けましたか?希望の仕事にはつけましたか?どんな人と結婚していますか?そして、なりたい自分になっていますか?』
母親のしのぶ(檀ふみ)に結婚を急かされて渡された婚活ツアーの料金は女性一人48,000円。高いと思うもの、これで結婚できるのならと悩みます。
『拝啓 15の私へ、絶望しないで聞いてくれ。君の将来はなかなかにしょっぱい。頑張ってはみたけど、思い描いた未来は手に入らず、なりたい自分とは程遠い。それでももう一度頑張ってみようって、つい最近思い始めた次第で。』
キャバレー美和で、美和(安達祐実)は今日の売り上げを数えています。100万円。
『拝啓 未来のイケてる私へ がっぽり稼いで玉のコシのってる?』
満足げな美和「半分達成ってとこっす。」
雅志(永山絢斗)もまたその手紙をみていましたが、くしゃっとテーブルに投げました。
志望学科を決める
受験まであと1年半。「まずは志望学科を決めるよ。ユリ平」
何をやりたいかは入ってから決める、目標はとにかく東大生になること。少しでも可能性の学部ということで、募集人数の多い理一、合格最低点が最も低い理二を勧めました。理三は、東大の中でも超人が行く超最難関だから無視です。
合格したいなら、変に欲かいちゃだめ!大してなりたくもないのに、弁護士や検事を目指したら親が喜ぶだろうと文系最難関を目指して玉砕した人間の末路が自分だと順子。
匡平(横浜流星)「文一落ちたんだ?」
順子「いかにも。」
本当は何がやりたかったと訊かれ、未だに分からない順子。
合コンで婚活を学ぶ順子
恋愛は受験の邪魔
今日は合コン。匡平の仲間たちが匡平を連れていこうとしますが、東大受験する奴に合コンの時間はないと順子と言い争いになります。カブ(櫻井圭佑)がとりあえず合コン行ってから頑張ろう、と順子とナラ(堀家一希)の肩に手を回します。
順子「だから恋愛なんて受験の邪魔なの!」
高校時代、もらったラブレターを取り上げられ、母のしのぶ(壇 ふみ)に同じことを言われた順子。
美和が車で通りかかりました。「なに、そのハーレム状態?なんか楽しそうじゃん!」
合コンはチームプレイ。美和の監督
結局、美和も同行して、みなで合コンに行くことに。
「いいか、よく聞け!合コンは闘いだ!っていうのは素人。大事なのはチームプレイ。まずはそれぞれ違うキャラを立てること。勉強はやることやってからにしな!お前たち、電話番号聞けるまで、店出るんじゃねえぞ。私が監督してやるから!」
匡平の仲間たち「はい!」
美和「行くよ!」
店に入ると、朝倉女子高の生徒たちが待っていました。美和の指示でエンドーが紹介を始めます。
エンドーはフレンドリーな感じ、ならは斜に構えた感じ。カブは大食いで「ハンバーグ!」。本にしか興味がない木佐。気が遠くなってるのが匡平。
美和「キャラの立て方が間違ってる。でもエンドー。積極性は評価しよう!」
みんな、かわいいね、というエンドーに、喜ぶ女子生徒たち。一緒に笑っている美和が、女生徒たちは気になります。
「はい、集中集中!じゃあお互い第一印象で作戦ターイム!」
後ろのテーブルに座っている順子。
順子「顧問か!」
女によっては身を滅ぼす、順子の生徒の相手は自分が見極める、という美和。「順子には無理でしょう。」
女生徒たちは匡平をちらちら見ています。
合コンは婚活の教材にうってつけ
順子は帰りたがりますが、美和は、15の自分からの手紙について尋ねました。
順子「なりたい自分になれてますかって。」
美和「大人をへこます、かっこいい言葉。」
順子「15の私に今の自分を見られたら、思いっきり嫌われそう。」
美和「まあ、他は無理でも結婚くらい、あの頃の順子の夢、かなえてやろうよ。合コンは婚活の教材にうってつけ、あんたも学習のために来てるんだからね。」
高校生のテーブルに戻る美和「はーい、作戦タイム終了!」
江藤美香(吉川 愛)は、髪の毛を切ろうと思うんだけど、と皆の意見を尋ねます。それを聞いて、美和は後ろのテーブルの順子に、あの子やる、とささやきました。「髪型の話はお互いの視線が合う、いいトークチョイス。」
ささやきかえす順子「勉強になります!」
恐怖の『られたされた女』
今日、来て良かったと安心する美香。「前、行った合コンで、盛り上げてって言われたからいっぱい話ししたんだけど、男の子たちに軽いって噂立てられて。美香のこと気に入った人もいたんだけど、その人にも誤解されて。」
わざとらしく咳ばらいをする美和。集まってくる匡平以外の仲間たち。
「油断するな、あれは『恐怖のられたされた女』だ。自分のことを全部受け身で話す奴は、自分の行動に責任を取らないから、つきあったら、なんでもあんたのせいにされる。」
順子の電話番号を知りたがる匡平
この辺で、電話番号を聞いとこうと提案する美和。仲間たちは張り切って、電話番号を聞き出そうとしました。
匡平は、順子のテーブルにやってきました。ユリユリも番号聞いておいでよと、順子が言うと、恋愛禁止、でも分からないことがあった時用に順子の番号を知りたがります。しかし、生徒に電話番号を渡すのは、塾の規則で禁止されていました。
会計を済ませて帰ろうとする順子。自分たちで払うという匡平ですが、高校生に払わせられないと言いつつお財布を忘れた順子。必死にお財布を捜そうとして髪をかきあげた順子のうなじにドキッとする匡平。
匡平「お前、本当に大人のくせに。」
美和にお金を借りて支払いに走る順子。その順子を笑顔で見守っている匡平を、美和は見ていました。
順子が教えた不良の山下一真
キャンセルの理由・ピンク頭
キャバレー美和で話している、雅志と美和、もんちゃん(真凛)。
美和「あんなに楽しそうに笑ってる順、久しぶりに見た。」
雅志は、そのピンク頭が、この間のキャンセルの理由と思い当たりました。そのピンク頭を見ていると、順が高校の時に教えていた不良の子、山下(中村倫也)を思い出すと美和は言います。
ヤンキーと秀才のカップルは、戦国でも鉄板というもんちゃんですが、それは違うと雅志は言いました。
山下一真の補習を引き受け、奇跡を起こした順子
進学校のドロップアウトだった一真。暴力騒ぎに巻き込まれた一真の補習を引き受ける教師がいなくて、テストが受けられなくなっていました。その一真の補習を自ら申し出た順子。
毎日待っていましたが、一真は来ません。ある日、ようやくやってきた一真は、順子が内申のために補習をするのだと思っていました。しかし受験には内申は関係なく、順子は、むかつく担任を謝らせたかったのです。
雅志「次のテストで奇跡が起きた。万年赤点の山下がオール70点代。山下の暴行事件の濡れ衣も晴れて、担任が山下に謝った。」
進展なさ過ぎて泣ける!雅志の15の自分からの手紙
優しく教えてもらったのだろうという美和ですが、雅志は、順子は勉強に関しては誰よりもシビアだと言いました。
雅志「子供のころから、あの母親のプレッシャーに耐えて闘ってきた、熱い勉強アスリートみたいなもの。ま、他はいろいろダメだけど。ま、順のそういうところは一番の理解者だ。」
一番の理解者がなぜデートもできないのか、という美和。15の自分からの手紙を要求しました。
『拝啓 大人になった俺へ 順子と平和な家庭を築いていますか?というか告白してますよね?オレ、まさかね。』
もんちゃん「進展なさすぎて泣ける!」
山下一真と順子の再会
出張講師
山王ゼミナールで、近隣の高校に出向いて出張講師を行うことになりました。補習や授業を行う、営業の一環です。講師は次々に選んでいきますが、去年行かなくてもいいと言われた順子。
塾長(生瀬勝久)「先生が行っても、生徒の獲得にはつながらないと判断したからです。ま、今年も行かなくても構いませんが、給料減額もありえますよ。」
減額と訊いて、慌てる順子。「行かせてください、どこにでも。」
しかし残っているのは南高だけでした。
「任せてください、こういう学校の生徒ほど、意外に素直だったりするんですよ。ねえ。」と周りに同意を求めます。
南校に出張講師する順子
南高校
校門のところで、匡平を見つけた順子。「あ、いた。おはよう!ユリの人」
南校に生徒募集に来ると聞いて驚く匡平。もっと手堅い学校に行くべきだと言います。
順子「ユリ蔵がいるから楽しそうだなと思ってきたんだよ。エンドーもナラもなんだかんだ言って可愛いし、自分の勉強ばかりで授業を聞いていない進学校の生徒よりもよっぽどいい。」
しかし、授業中、教室にいるやつ自体が少ない、と聞いて、減給決定と頭を抱える順子。とりあえずは担当の山下を教えてもらいました。
廊下で生徒を責めている山下先生。「お前の言うことは信じられないんだよ。ったく。」
挨拶する順子。
「晴見?」
「山下君!」
山下と再会
会議室
お互いに教師、塾講師になっていることを驚きあう順子と山下。自分が嫌いだった教師と同じことを言ったと落ち込んでいる山下に、順子は、自分も同じと言いました。
「私もこの前、お母さんに言われたことと同じこと言っちゃって。」
山下「子供いるんだ?」
順子「ううん、いない。未婚、独身、シングル、フリー。」
山下「フリー!?」
生徒に、恋愛は受験の邪魔だと言ってしまった、先生だって間違えたら謝らないとね、と順子。
自分に勉強を教えてくれた順子をカッコよかったという山下。ああいう先生になりたかったんだけどな、と苦笑いします。
ひざに頭置いてガン飛ばす高校生
受験は、勉強を日常にする
塾で、文法を理解できた匡平を褒める順子。問題が解けないのは圧倒的な単語力不足でした。とにかく単語の暗記が必要、右脳を活性化するため左手を使うのもあり、そのくらいの余裕も必要だと順子は言いました。
最近あまり寝ていない様子の匡平。順子は、受験は勉強を日常にすることがスタート、続けられなければ最後までもたない、と教えます。納得する匡平。
「何か本物の塾講師みてえ。」と匡平は笑顔を見せました。
自分を肯定してくれる言葉で頑張れる
山下のことを話す順子と匡平。二人は高2の同級生でした。匡平のクラスで、つまんないことを真面目にやるのが大人、そう言っていた山下。
順子は、人生でたった一人、告白されたのが山下と言いました。東大に落ちて間もなくで自信がなかった順子。笑ってごまかしたけど、その後、どうしても自分を好きになれないとき、誰かが一度でも自分を見ていてくれたと何度も慰められた。
「だから、ごめん!前言撤回。ゆりあんには受験勉強しながら恋愛もしてほしい。だって彼女って自分を勇気づけてくれる存在なんでしょ?おそらく?まあよく知らないけど。」
匡平は、誰かに肯定されるのなら恋愛じゃなくてもいいと言いました。順子が匡平に言った言葉。『無敵ピンク。いい色』皆そういうのがあれば頑張れる、だから順子に教えてもらうのだと。
そこへくしゃみをした順子。そのはずみで、また腰が痛くなりました。慌てて、講師ルームに連れていこうとする匡平ですが、今はテスト期間、生徒は立ち入り禁止です。それどころじゃないと席に連れて行ってくれる匡平。
責任を取るのは自分
すると、勅使河原たちがやってくる声が聞こえました。慌てて、匡平を机の下に隠しました。匡平は狭いので、もっと椅子を引けと言いますが、順子は、腰が痛いのだとささやきました。
『ヤバい!こんなとこに生徒しまいこんでるのバレたら、y人生色々失う』
由利匡平のことを話し出す講師たち。由利の父親は文科省の局長でした。自分が由利の父親に吐いた暴言を思い出して青くなる順子。『はよ言うてくれや』
そんな人の息子が落ちたら難癖をつけられる、責任取れといわれるかもしれない、そもそも南校から東大は不可能と笑う講師たち。
机を叩いて怒る順子「そんなもん、責任なんて自分で取るんですよ。自分の結果なんだから。」
受験会場でペンを持つのは本人。親は関係ない、教えてくれと言われたら全力で教えるのが自分の仕事という順子。講師たちは、そんなにこの仕事が好きだったのかと意外そうです。
順子の膝に匡平が
すると匡平が順子の膝に頭を持たせかけているのを感じて、驚く順子。椅子から転げ落ちてしまいました。助けに来ようとする講師を何とか止める順子。「あのぎっくり腰で・・・・来ないで!うつるんで!」
うつると聞いたことがあると慌てる講師たち。密かに笑っている匡平。
20年の片思い
電話をしようかどうしようか迷っている仕事中の雅志。見かねた西大井が仕事は自分がやっておくから、さっさと電話して20年の片思いにケリをつけるようにと言いました。「20年もあれば人1人成人してますよ。パンダの赤ちゃんも寿命を迎える頃。」
早くしないと、いくら受験、就職、婚活全敗の負け組アラサー女子でも合コンくらいしてしまうかもしれない。雅志も、グズでヘタレで意気地なしと言われてしまいました。
西大井に急かされて順子に電話する雅志。しかし順子はそれどころではなく、逆に訊きたいことがありました。
「え?男子高校生が、ひざに頭置いてガン飛ばしてるって何?」
それを聞いて、西大井は若いライバルは積極的とつぶやきます。雅志は、それは思春期男子が何とも思ってない女によくやる行動、自分も昔よく、膝だけじゃなく、肘とか足首とかに乗っけた、と言いました。
恐怖のられたされた女・江藤美香
『恐怖のられたされた女』が入塾
翌日、塾で杖を突いて歩く順子をかばう匡平。そこへ、この間の合コンの『恐怖のられたされた女』江藤美香が現れました。覚えてない順子ですが、入塾希望と聞き、喜びます。
なんでここが分かったと尋ねる匡平。美香は、SNSを調べまくり、ようやくハンバーグの人、カブの動画を見つけたのでした。
「ハンバーグおごらされた・・・」
その言葉で、恐怖のられたされた女と思い出した順子。
美香をけしかける順子。「やるなあ、お若いの!よしっ!合格も恋も両方手に入れよう。」
匡平は、ただ給料上げたいだけだろうと冷たく言いますが、下げたくないと順子。「ブラック学習塾、なめんなよ。」
さっそく入塾手続きに連れていく順子。
匡平と雅志が出会う
塾の外にいる匡平と仲間たち。前に駐車している雅志の高級車に見惚れています。
そこへ美香と出てきた順子。雅志が車から出てきました。美和からぎっくり腰のことを聞いたので迎えに来たのです。その名前に聞き覚えのある匡平。ずん子先生の彼氏だと騒ぐ仲間たちですが、順子はただのいとこ、と訂正しました。ピンクの髪の匡平に目を留めた雅志。
「東大目指してるって君?」
順子は、匡平を紹介しました。
雅志「君みたいなピンク頭のやつが入学したら、あの学校ももうちょっと面白くなりそうだ。順の教え子ならいつでも協力するよ。」
しかしその申し出を断り、自分でやると匡平。バイクに乗りました。順子は、その心意気を讃えました。
匡平の気持ちを見抜く美加
時計を見て、これから塾講師の講習会という順子。雅志が送っていくことになりました。「じゃ気をつけて帰んなさいよ。」
バイバーイと手を振る仲間たち。
ナラ「まさか順子先生に、あんなハイスペックないとこがいたとはな。」
エンドー「あの人に彼氏紹介してもらえば、エリートとかいっぱいいんじゃね?」
一人バイクに乗って待っている匡平。匡平の様子から美香は、匡平が順子のことを好きだと言いました。それを否定する匡平。
集中力と自発性で奇跡を起こす
集中力と自発性
車の中で匡平のことを話す順子と雅志。
この短期間ですごく伸びている匡平。奇跡を起こしたいという順子は、匡平を見て、勉強の楽しさを思い出していました。雅志も大学の研究室にいた学生は、高校まで何も勉強してこなかった、ただ、集中力が飛びぬけて高かった、自発性もあった、奇跡も無いわけじゃないと言いました。
順子「それなら大丈夫。集中力と自発性は、少なくともあの頃の私よりあるから。あの子には、なりたい自分になってほしい。」
ファミレスで一人勉強している匡平。
匡平が順子をかばって骨折
南高、山下のクラスで講義をすることになった順子。打ち合わせに訪れている間、山下は、この間の生徒に謝り、きちんと話を聞こうとしました。しかし面倒くさがった生徒に押されよろけた山下。その山下を助けようとして、順子は階段から足を踏み外してしまいました。順子の様子を見ていた匡平は順子をかばって一緒に落下。右腕を骨折してしまいました。
お金で買えない自発性と集中力
由利家に謝罪に訪れた順子と山下。順子たちのせいではないと聞いていた菖次郎(鶴見慎吾)は、骨折について謝る順子たちを責めませんでした。しかし、順子には、匡平の講師を辞めてほしいと言います。学歴、経歴実績を見て、匡平を私大にすら合格させることは不可能だと判断したのでした。
順子は、その決断を受け入れました。
「ただ一つだけ、お願いがあります。彼のやる気を、決してここで折らないであげてください。親がどんなに必死になっても、大金はたいても、本人の自発性と集中力だけはお金では買えません。担当講師として最後にお願いします。」
君と君の未来の大事な人のために。
出張講師・しくじり先生
2Aに話にきた順子。しかしクラスのほとんどは自由に話していて、順子の言葉に耳を貸しません。一真が静かにさせようとしますが、誰も言うことを聞きません。
「つーかさ、こんな勉強して何の役に立つの?」「意味ねえし。」「意味ない、意味ない。」
ファイルを机に叩きつける順子。生徒たちが静かになりました。
順子「私もそう思うよ。自慢じゃないけど、子供の頃からメチャクチャ勉強してきたけど、就活のときも婚活のときも何にも役に立たなかった。」
「何にも考えないで言われるまま勉強してきたから、私。結果、今こうして君達に営業を兼ねて授業をしてる、クビ寸前のくじり先生になっちゃった。」
生徒たちが笑います。「結局ダメダメじゃん。」
大事な人を守る知識
「だから、君達が自分には勉強は必要ないって思うなら、好きにしたら?って思う。だけどさ、自分のことはどうでもよくてもさ、君らに大事な人ができたとき、その人を守ることができないのは自分を守れないよりきっと悲しいよ。」
結婚して家のローンを組む時、年金、医療保険、生命保険。契約書類を理解できる程度に勉強しないと損するし、下手すると騙される。
「ずっと先の話だと思ってるでしょ?でもね、30すぎたらビックリするぐらい腰とかひざとか衰えるから。」
エンドー達が笑います。「特に腰ね。」「もう運ぶのやだ。」
どんな自分になりたいか想像する
「でさ、将来、君達にそっくりな子供ができたとして、その子の夢を手助けしたいとき、そのための知識や知恵や力が足りなかったら?想像してみて。どんな自分になりたいか、そのためにはどんな勉強が必要か、そう考えて勉強した知識や努力は、私みたいに人生しくじったときも、きっと君らを助けてくれるよ。だから頑張って。君と君の未来の大事な人のために。」
順子は、匡平を見て話しました。
生徒が大事な人の見つけ方を尋ねましたが、それは自分も超知りたい順子。生徒たちは笑い出しました。
生徒がきちんと話を聞いたことに驚く一真。二人は電話番号を交換しました。それを陰から見ている匡平。
「私、今あの子に夢中なの。」
順子のために最難関の理三をめざす匡平
順子を追いかける匡平。「春見先生。」
順子じゃなければ受験しない、と言った匡平。父親には好きにしろとさじを投げられたと言います。匡平はノートを出しました。右腕を骨折したので、左手で単語帳を作っていたのです。「左手使うと、右脳が鍛えられるんだろ?」
感動する順子「ユリユリ」
匡平「いい加減、あだ名統一してくれよ。この単語帳、ギプス外れるまでに暗記するから。」
順子「由利君。私、絶対由利君のこと・・・」
そこで理三を受けると宣言した匡平。自分が、最難関の理三受かったら、文一を落ちた順子のコンプレックスが晴らせるのではと考えたのです。
順子「そんなことが理由で?バカじゃないの?」
匡平「バカが合格したら、お前しくじりじゃなくなるだろ?」
順子は礼を言って、理一か理二でじっくり考えようと提案しました。とりあえずギプス外れるまでに単語帳2冊追加されました。
出張授業の打ち上げ
匡平の仲間たちがやってきました。
「何かおごって!ずんこ先生。」「今日で最後。俺ら、明日から匡ちゃんの受験に協力するから。美和さんにも連絡しちゃったし。」「出張授業の打ち上げ。授業マジ感動したし。」
順子「ホントに!?」
「うん何かよく分かんなかったけど。」
でもシュッと来た、ゾーンと来たとナラたち。
今の自分が好きな順子
お好み焼き屋ハングリージャングルに来た一同。南校OBというゴリさん(皆川猿時)は、ゴリラ焼きをサービスしてくれました。
「食えー!腹ペコ男子」「いただきやーす!」
一真が独身か知りたがる美和ですが、誰も知りません。順子は酔っぱらっています。
美和「順、どうなのよ?婚活相手として山下は?」
順子「え~っ、私、今、婚活とかしてる隙間が。」
美和には、隙間の意味が分かりません。順子は唐突に、今の自分が好きと言い出しました。お好み焼きを食べようとして、服にこぼした順子。洗ってくるとトイレに行きました。
あそこまで潰れるの珍しいと美和。「でも今日はいい酒みたいねえ。」
「そういうことは酔ってないときに言ってもらえますか?」
順子を心配してトイレに様子を見に行った匡平。「春見、大丈夫か?入るぞ!おいっ、大丈夫か?」
美和だと思っている順子。ソースが取れないと言います。よろけて、匡平に抱き着いた順子。
匡平「ちょっ、おいっ!お前何してんだよ?」
順子「さっき、ユリユリの前では引かれると思って言えなかったんだけど、私、隙間がないの。婚活なんてできないくらい。絶対合格させたい。私、今あの子に夢中なの。」
驚いた匡平「先生、そういうこと酔ってないときに言ってもらえますか?」
自分の気持ちに気づいた匡平
一週間後、塾に匡平を迎えに来た仲間たち。美香が匡平の後を追いかけてきましたが、匡平はまだ単語帳を覚えていないので帰ると言います。仲間たちは、美香も駅まで乗っけていくことになりました。
匡平「ああ、江藤。お前の言ってたこと、やっぱ当たってたわ。俺、あいつのこと好きだわ。」
でもエンジン音がうるさくて、誰にも匡平の言葉は届きませんでした。
「えーっ?何て?」「今何か言った?」
匡平「何もねえよ!ほら行くぞ!」
年収3000万に値する男・雅志
「一緒に順子を落とすぞ!」
キャバレー美和で飲んでいる雅志。唐突に順子のどこが好きなのか、尋ねる美和。
美和「うーん。ニューキャラも登場したことだし、答えによっては私も応援できなくなるなあ~って。」
ニューキャラを気にする雅志に、美和は、順子を好きな理由を尋ね続けました。
雅志「まあ、カワイイし、いやべつに見た目だけじゃないぞ。」
しかしその答えを気に入った美和。「10年以上のつきあいで、キレイ、カワイイ、好きが言える男は、年収3000万に値するからね!よく言った!」
雅志「はあ。」
先を促す美和。
雅志「まあ何でもできたあの頃よりさ、また頑張ろうとしてる今のあいつの方がよけい諦めたくないっていうか。」
感動した美和「雅志いいじゃ~ん!見くびり続けて悪かった。よしっ!一緒に順子を落とすぞ!」
嬉しい雅志「おっ!お前いいやつだなあ!」
乾杯する二人。
美和「ってことは、ピンドンオーダーいただきましたー!」
雅志「おいっ!?」
15の私へ返信
机に突っ伏して寝ている順子。灯がついているので、しのぶが入ってきました。15歳の順子からの手紙を見つけたしのぶ。その手紙を読んだしのぶは、順子に毛布をかけました。
『拝啓15の私へ 私は君の想像する未来を何一つかなえていません。それどころか今、なりたい自分なんてカッコイイ言葉なんかより大事なものを見つけてしまい、想像以上に忙しい日々を過ごしています。できれば今の私を、君も好きになってくれたら嬉しいです。』
雅志は、順子に電話しましたが、話し中です。こんな時間に、と驚く美和。
その頃、匡平も電話をかけていました。
バーに座っている山下「俺だけど、もしもし?」
1話はこちらです。
初めて恋をした日に読む話 1話 あらすじ感想 ワクワクときめき。無敵ピンクと東大を目指す
感想
由利君がいいキャラですね。何気ない表情でものすごく感情が伝わってきます!順子役の深田恭子さん、うまいなと思うところもあれば、わざとらしいかな、と思うところもあり、でも、基本的には楽しませていただきました。今日も先週も、順子さんが語るところは、ものすごく聴き入ってしまいました。
15歳の頃、たぶんお母さんも一緒に見ていた夢。全てがうまく行かないアラサーの自分が見るにはきつい手紙ですね。一人喜んで読めたのは美和さんだけでした。
その美和さんが、なぜか匡平の仲間たちに乱入。女の子とデートしたい匡平の仲間たちにあれこれ指導します。ついでに順子の婚活の勉強にも役立てて。女の子たちの目線は匡平くんに集中していました。でも、その匡平君が知りたい電話番号は、順子さん。でも塾の決まりだからと断られてしまいました。
順子さんのことを先生というよりも同志として見ているような感じの匡平君。ことあるごとに年齢の壁、先生と生徒の壁に突き当ります。今回も、順子がぎっくり腰を再発して、テスト中だからというのを無視して、順子を講師ルームへ連れて行ってくれました。しかしそこへ別の講師たちが。慌てて匡平を机の下に隠しますが、そこで思わず匡平の弁護をした順子。父親と比べられて傷つくのは日常茶飯事と思われる匡平は無表情でしたが、順子がかばってくれる言葉をきいて、思わず膝に頭を乗せてしまいました。
ここでうろたえる順子。雅志に、高校生が膝に頭を乗せてガン飛ばしてきた、は笑えますね!でも、そんなシチュエーションにどうなったらなるのかと驚くことなく、冷静を装って、それは普通のことと返す雅志さんも最高です。
塾の出張講師で出会った山下一真。高校の同級生で、かつて告白してくれた人でした。その一真が教師になったのは、順子みたいな先生になりたかったから。でも昔嫌っていた先生のようになりつつあるようです。
そして、順子の出張授業。普段話をろくに聞かない生徒たちが、真剣に順子の話に耳を傾けるのは、それが順子の経験に基づいているからでしょうか。今はよくても、この先大切な人が現れたら、その人を守るのに役に立つ。順子の言葉が分からなった生徒もいるようですが、自分たちのことを本当に考えてくれている、その気持ちは通じたようですね。
そして打ち上げ。なぜか高校生を相手によっぱらう順子さん。先生としていいのかな、と思うのですが・・・気にして追いかけてきてくれた匡平君に抱き着いて、今あの子に夢中なの。匡平君としてはびっくりですよね。そして気づいた順子への気持ち。これどういう展開になるのでしょうか?周りの仲間が楽しいので、あまり深刻な雰囲気にはならなさそうですけど。
美和さんが雅志と話してみると、意外にも雅志は高評価をもらいました。これから美和さんは雅志の恋を応援してくれるそうです。でも、20年も片思いってすごいですよね。応援してもらえると知って無邪気に喜ぶ雅志さんの笑顔が可愛かったですね!
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