家康、江戸を建てる 後編 自害を逃れて大逆転!旗を立てた庄三郎。

公開日: : 最終更新日:2019/04/25 2019年冬ドラマ , ,

秀吉の庇護を受けて大判づくりを一手に引き受ける後藤家。その一番の職人・庄三郎は、自分の功績がすべて主の徳乗とその弟・長乗のものにされてしまうことに不満を抱えていました。

後藤家の大判を気に入った家康。江戸でも大判をつくりたいと、長乗を江戸に招きました。同行する庄三郎と与一郎。滞在は1年、その後、庄三郎は、徳乗の娘・早紀と結婚する予定でした。しかし約束は破られ、1年後に帰ったのは長乗だけ。庄三郎たちは置き去りです。

庄三郎の野心を見抜いた家康。まだ世にない小判作りを命じます。しかし、与一郎の裏切りで、家康よりも先に、駿府で後藤家の小判が出されてしまいました。一度小判が世に出た以上、家康は独自の小判を作ることはできません。秀吉に小判製造がばれたことを知る家康。自害を命じられた庄三郎ですが、策を講じ、後藤家の名を入れた最上級の江戸小判を作ることに成功します。

秀吉が死に、世の天下人は家康に。家康の庇護を受けている職人として庄三郎は京に旗を立てました。

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Contents

橋本庄三郎の大判作り

江戸を日ノ本一の都に

1590年 江戸駿河台

江戸を見下ろす家康(市村正親)たち。見渡す限り湿地。

「わしは、いつの日かこの江戸を日ノ本一の都にしてみせる。」

 

後藤家の大判作りを秀吉が庇護

『1592年、京。当時の京は、日本最大の都市で繁栄の極みにあった。』

後藤家職人の与一郎(林遣都)が急いで高札を確かめに来ました。

「『大判は後藤家の許しなく作ったらあかん。両替も全て後藤家が取りしきる』って書いてありますわ!」

これで後藤家は盤石、だれも逆らえないと口々に言う町人たち。与一郎は大喜びで興奮しました。

 

後藤家の橋本庄三郎

京 後藤家の彫金工房

慌てて帰ってきた与一郎。兄弟子の職人・橋本庄三郎(柄本佑)に喜んで報告します。

「兄ぃ、この後藤家の大判作りを太閤殿下が庇護なさるって話、ほんまやったわ!今、高札が立っとった。」

驚かない庄三郎に、物足りない与一郎。庄三郎は大判づくりに懸命に取り組んでいて、それどころではありません。熱心に作ったばかりの大判を見ていましたが、やり直しと決めました。わずかに歪んでいるというのです。与一郎もみてみて、このくらいは誰も気にしないというのですが、庄三郎はやり直しと聞きません。

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後藤家の面目

徳乗と長乗

後藤家当主・徳乗(吉田鋼太郎)、弟の長乗(吹越満)が様子を見に来ました。明日は太閤に大判を献上する日。まだ仕上がっていない様子に、苛立つ長乗。

「間に合わんかったら、後藤家の面目丸潰れや!」

不細工なものを出す方が面目丸つぶれという庄三郎に、自分がやると言い出す長乗。やりかけた仕事、自分が仕上げたいという庄三郎を、自分よりもいいものができると思うのか、奉公人風情が、と長乗は声を荒げて蹴りました。

その場を笑って収めようとする徳乗。しかし庄三郎には一転した凄みを利かせた表情で、やるのだったら間に合わせろと、命じました。

礼を言う庄三郎。

 

家康に大判を献上

『ここ後藤家は、室町期以来、代々彫金師を務め、太閤秀吉により大判の金貨製造独占を許されていた名家である。しかし、大判は主に大名への褒美の品として使われ、大坂、堺、京での商いでは、依然、大量の銅銭か、重さがまちまちな銀塊が通貨となっていた。』

家康に大判を献上する徳乗。そばには弟の長乗、後ろには庄三郎も控えています。

大判に見惚れる家康。製作者を尋ねられ、徳乗は、横の弟を示しました。自分の名を言われると思って、頭を上げかけた庄三郎。

長乗「徳川殿の関東転封を祝して献上する大判、格別なものをお作りせよと、太閤様より申しつかっておりますゆえ。」

家康は大判を褒めたたえます。「さすが、後藤の家に受け継がれた技は大したものじゃ。太閤様が羨ましいわな。しかし、見れば見るほど、美しいものよ。」

思い切って声をあげた庄三郎。「おそれながら、徳川様。」

しかし小さな声で「お気を付けくだされませ。墨が、まだ乾ききっておりません。お手につかぬよう。」

そして顔をそむけてしまいました。

徳乗は、庄三郎は気が利くとほめますが、顔色が悪いから下がるようにと命じました。その様子を不審げに見ている家康。

徳乗の娘、早紀(広瀬アリス)が舞を披露しました。

家康は大喜びです。「これはこれは、まばゆきこと。まさに黄金のごとしじゃな。」

その舞を陰から見ている庄三郎。

飼い殺しの庄三郎

自分の運命

酒を飲んでいる僧侶の兄・宋恩に、庄三郎は愚痴をこぼしました。しかし、平蜘蛛のように、後藤家に滅私奉公しろと言われます。あの大判を作ったのは庄三郎でも、大判づくりを秀吉から任されたのは後藤家。庄三郎は使用人にすぎません。立派な家で奉公できるだけでもありがたい、何がなんでも後藤家にしがみつけと言いました。「それがお前のためや。」

そこへ住職が宋恩を捜す声。口減らしのために仏門に入った兄。満足しているのか、と訊いてみました。

「これが、わしの運命や。ええも悪いもない。」

 

後藤家の娘・早紀

庄三郎が彫金工房に戻って来ると、慌てた与一郎が客が来ていると言いました。不審に思うと、客というのは早紀でした。驚いてひっくり返る庄三郎。

早紀は、髪飾りを直してもらいに来たのでした。直してくれた庄三郎に礼を言います。

「ほんまにすごいなあ。元どおりやわ。」

早紀は、家康へ献上した大判も庄三郎が作ったものだと見抜いていました。父や叔父のことを許してほしい、後藤家を恨まないでほしいと頼みました。恨んではいない、今日まで生きてこれたのは後藤家のおかげ、と庄三郎は応えました。

 

飼い殺しの庄三郎

そこへ顔を出した徳乗が早紀を呼びました。早紀が出ていくと口調が途端に変わり、暇を持て余しているのならと、明日までに大判10枚、命じました。さすがに夜なべをしないと無理と、与一郎が顔色を変えます。

「ほな、そうしなはれ!しっかりと励むがええ。後藤家の大判作りをな。」

金の粒を取りに行った正三郎と与一郎。

「どないに腕磨いても、結局あてら、この家に飼い殺しにされるしかないんか・・・」

その金を叩きつけて、前を見据える庄三郎。「いや!いつか必ず見返したる。」

長乗と1年江戸に行く庄三郎

早紀と夫婦約束

一か月後

徳乗と長乗に呼び出された庄三郎。早紀と夫婦になるようにと言われ、驚きました。金細工の腕を見込んだということですが、にわかに信じられませんが、喜んで受けました。

しかし一つ頼みがあると言うのです。長乗と共に1年、江戸に行ってほしいと言うのです。

江戸へ旅立つ前に、庄三郎と早紀は神社に参拝しました。そして数えた石段の数を一緒に言いあいました。

「ほな、ええか?よっしゃ言おう。」

「188!」「187!」

早紀は188、庄三郎は187と譲りません。もう一回階段を数えなおそうと言われて、庄三郎は188でいいと言いました。江戸に向かう庄三郎を気遣う早紀。文は毎日、書くことを約束しました。

 

江戸に到着

『江戸でも大判を製造したいという、家康たっての願いを聞き入れた秀吉は、長乗に江戸下向を命じた。庄三郎と与一郎は、その補佐役として随行した。』

江戸に着いた3人は、家康に挨拶しました。家康は庄三郎を気にしています。

「遠路はるばる、よう参られた。」

 

庄三郎と早紀の手紙

『早紀様、江戸の町は京に比べ、思た以上に人も物も少なく、まだまだこれからの様相にござります。あてと与一郎は、家康様のご家臣・志村伝衛門(高橋和也)様のお屋敷にご厄介の身となりました。』

『庄三郎様、お元気そうで何よりです。こちらは祇園会も終わり、あれからもう五月もたとうとしていることに驚かされます。どうかお体に気ぃ付けて、一日も早いお戻りを・・・』

『早紀様、いよいよ炉に火入れをし、仕事を始める日が近づいてまいりました。あとちょっとです。早紀様、今何をしてはりますか。今すぐ早紀様のもとに駆けつけたい。待っててください。お役目を全うして早紀様のもとに帰ります。必ず戻りますから、どうか待っててください。』

彫金の準備を忙しく采配する庄三郎。長乗は、あくびをして何もしていません。

『庄三郎様、うちはいつまでもお帰りを待ってます。こっちのことは気にせんと、どうか立派にお勤めを果たしてください。』

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違えられた約束

1年後、庄三郎たちは江戸に置き去り

『しかし1年後』

長乗は一人で京に帰るので、庄三郎たちにはしばらく残るようにと言います。約束が違うと抗議する庄三郎ですが、体調をくずした、家康にも早紀にも了解は取ってあると言います。

手回しの良さに、最初からこうするつもりだったのだと気づいた庄三郎。

「せやから、あてとお嬢さんとの夫婦約束を・・・」

長乗「後藤の名が欲しいんやろ。せやったらもうしばらく辛抱せえ。なあ、橋本庄三郎。」

雨の中、外で手当たり次第にものを投げ、涙を流す庄三郎。

 

庄三郎と与一郎を気遣う栗

食事中。伝右衛門は、庄三郎たちの滞在が長引いて嬉しがってくれるもの、喜ぶ気にはなれない庄三郎たち。伝右衛門の妻・松は、庄三郎は早紀に一日も早く会いたかったのだと、理解を示してくれました。

汁を飲んでみて、驚く伝右衛門。「何じゃ?この白湯みたいな汁は。」

「これ、おすましや・・・京の味や!」

喜ぶ庄三郎と与一郎。

伝右衛門の娘・栗(井原六花)がいろいろと調べてくれたのでした。栗に礼を言う二人。

江戸で小判を作る家康

家康に大判づくりを見せる

今日は、家康に大判作りを見せる日です。

「ほんなら、これより大判作りを始めます。」

庄三郎は説明をしながら、それぞれの行程を見せました。

『まずは、地金を溶かして型へ流し込み、棒状の棹金を作ります。それを打ち延ばして延金に。』

『試金石を使って純度を確認。品位が及ばなければもう一度やり直しますが、問題なければ、延金を一定の大きさ、重さに切り、大判の形に打ち延ばします。』

『表面に槌目をつけ、極印を打ちます。表に黄金色を際立たせる薬を塗って、火であぶり、色を変え、最後に水で冷やしたのち、あら塩で磨いて出来上がりです。』

 

江戸での金子作りを庄三郎に

部屋の熱さに汗をふきながら目を凝らしてみていた家康。できあがった大判を見て、京で受け取った大判を作ったのは庄三郎と確信しました。あの時、庄三郎が上げた「墨がつく」との声の意味を、家康は見抜いていたのです。

江戸での金子作りは、庄三郎に任せたいという家康ですが、自分はまだ正式に後藤家の人間ではないと、尻込みをします。

「この大判作りかて、後藤家の見よう見まねでやっただけで・・・」

家康は大声で庄三郎を止めました。「謙遜は大嫌いじゃ!何も生まん!」

庄三郎のうぬぼれを見抜いていた家康。こうなることを庄三郎も望んでいたはずと言うのです。京で受け取った大判を、家康は庄三郎に見せました。

庄三郎は白状しました。「たとえ試しのものとはいえ、やるからには、あての腕を徳川様に認めていただきとうございました。」

思い切ったことを言う庄三郎に、横で心配する与一郎。

満足げな家康。「それでよい。へりくだる人間は仕事もへりくだる。」

家康は庄三郎の名で仕事をすればいいと言います。大判を作ることを引き受けるという庄三郎。

 

大判ではなく小判

しかし家康は意外なことを言いました。庄三郎が作るのは、大判ではなく小判だというのです。10両ではなく1両。

「金の質はより高め。花押と墨書きは後藤ではなく、庄三郎に。右肩には武蔵と書き加え・・・」

驚いた庄三郎。そんな使い勝手の良い小判が江戸から大量に出回ることを、秀吉が許すはずがないと言うのです。

しかし、家康はその小判は家康の領内のみで使用。しかし使い勝手が良ければ、持ち出すものは持ち出すし、持ち込むやつは持ち込む、商いは使い勝手がいいものを尊ぶといいます。

「利にかなったものが広まるのは、どうしようもないことじゃ。その暁には、ここ江戸に多くの商いが生まれ、人や物が集まることになるであろう。」

 

庄三郎の戦

驚いた庄三郎。もしや小判で天下を取ろうとしているのか、そう問いかける庄三郎には答えず、家康は尋ねました。

「やるか、やらぬか、どちらじゃ。この江戸で名をあげてみよ!」

庄三郎「やります。この庄三郎、己が腕を存分に、家康様のお役に立ててみせます。」

心配げな与一郎に、満足げな家康。

「よう言うた。まずは小判2, 000枚。 幾日で出来る?」

半年、と庄三郎は答えました。秀吉が小判を出す前に作らなくてはいけません。秀吉の後になれば、謀反の疑いをかけられ、徳川は滅ぼされる。

「やるからには一刻の猶予もならぬ!これは戦じゃ!」

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与一郎との決別

金が盗まれる

『数日の後、駿河で家康の御用達であった金細工職人らも加わり、本格的な江戸小判作りが始められた。』

帳簿を確認していた庄三郎は、仕入れ分と出来上がりで金の量がわずかに足りないことに気づきました。駿河からの職人を疑う与一郎。確信は持てないので、よく目を光らせているようにと、庄三郎は与一郎に頼みました。

庄三郎「与一郎。お前がおってくれて助かったわ。この江戸で、信用できる人間が一人でもおるんは心強い。」

やっと気づいたか、と笑顔を見せる与一郎。庄三郎とはもう腐れ縁だと言います。でも京を懐かしがる与一郎に、庄三郎は何も言えませんでした。

その後、庄三郎は、目を光らせて職人たちの仕事を見張るようになりました。

 

与一郎の盗み

地金を置いてある部屋に忍び込む与一郎。出てきたところを、庄三郎と一人の職人に見つかりました。懐に入れたものを出せといいますが、しらを切ろうとする与一郎。

そこへ大久保長安(高嶋政伸)がやってきました。

『この大久保長安は、その財政能力を家康に高く評価され、江戸ならびに東国の金の流通を監督していた。』

長安がこんなところに現れたことに驚く庄三郎。小判づくりを始めたと聞いて、金山奉行の長安は、検分も兼ねて不正などないか確かめに来たのでした。

与一郎に着物を脱ぐよう、長安は鋭く命じました。怯えた与一郎は後ずさりをして尻もちをつき、その拍子に金が転げ落ちました。

 

たまたま入った金

吹所においての盗みは重罪。長安は、与一郎だけでなく、責任者の庄三郎も厳しく糾弾します。

庄三郎は、与一郎はやましいことはしていない、ここには金が山ほどある、懐に入りこむこともあれば、荷の中に入ってしまうこともあると言います。いちいち気にしていたら仕事にならない。

そんなことはありえないと怒り出す長安。庄三郎は、長安の笠を指しました。

「ほな長安様の笠についてるそれ、何でございますか?」

床に置かれた長安の笠には、金がいくつか入っています。慌てて何も知らないという長安に、庄三郎は、わかっている、たまたま入っただけだと言いました。

膝まづいた庄三郎は、長安の目を見て言いました。

「長安様。あてら、不正など決して働きません。お役目、ご苦労さまに存じます。」

次は見逃さない、長安は悔しそうに立ち去りました。

 

与一郎を追い出す

喜んで庄三郎に寄ってきた与一郎ですが、庄三郎に出ていくようにと言われてしまいました。もう二度と信用はできないと言うのです。

なんでこんなことをと言われて、開き直った与一郎。江戸には庄三郎以外には知り合いがおらず、酒と女以外に楽しみがなかった、早く京に帰りたかったと言うのです。

庄三郎「そうか。ほな、京にでも、どこにでも帰れ!目障りや。二度とあての前に現れるな。」

 

駿河で先に小判が出た

早紀からの手紙

『質を落とさず、色、形も妥協せず、遅々とした歩みながら、庄三郎たちの小判作りは着実に進んでいった。』

庄三郎が帰宅すると、出迎えてくれた栗が、久しぶりの早紀からの手紙を渡してくれました。慌てて中を見る庄三郎。季節の変わり目で加減が悪くなり、返事が書けなかったと書いてあり、安心します。

それをほっとした表情で見守っている栗。

 

与一郎の裏切り

半年が過ぎて、ようやく小判2000枚ができました。しかし駿河で先に小判が出されてしまいました。秀吉の口添えで、後藤の名で出されたのです。

立腹する家康の前に、庄三郎が呼ばれました。小判づくりを知っていたものはごくわずか、誰が漏らしたのか、と訊く家康に答えられない庄三郎。家康は、与一郎のせいだと確信していました。しかし、与一郎は長年、一緒に働いてきた弟分、自分たちを売りはしない、と言う庄三郎の言い分を家康は怒鳴りつけました。

「愚か者!そのような口先だけのきれい事で、気安く人を信ずるなどと申すな!現に、お前も後藤家に仇なすことを承知で、己の欲のために生きる道を選んだではないか!笑止!そのようななまぬるい覚悟で、わしの理想とする小判を作ることなどできぬ!」

 

庄三郎に自害を命じる

ひたすら謝る庄三郎に、長安は自害をするようにと刀をそばに置きました。徳川の存亡の危機、庄三郎の命では足りないとはいえ、秀吉への多少の面目にはなると言うのです。

もう一度、挽回のチャンスがほしい庄三郎ですが、長安は遅いと怒鳴りつけました。秀吉が、家康の旧領の駿河で小判を出したのは、家康への警告。これで同じような小判は作れなくなったのです。

「この戦、我らの負けじゃ。」

 

まだついていない勝負

「恐れながら、勝負はまだついておりません。」

庄三郎は、胸元から、駿河で出たと言う小判を取り出しました。

「早かろう悪かろうの粗悪品でございます。そのような代物、誰も使いたがりません。そのようなものは、すぐに信用を失い消え去ります。」

色形、装飾、品位、どれをとっても自分たちの小判の方が上だと、庄三郎は言いました。

しかし、先を越され、今小判を出せば秀吉の怒りを買うことは必至。

庄三郎は、後藤の名をつけた小判を出すことを考えていました。駿河の小判を手本にしたと言えば、秀吉も文句は言えません。堂々と自分たちの小判を出せます。

庄三郎は、後藤の名をもらいにいくため、京都行きを願い出ました。

 

後藤庄三郎光次の名をもらう

嫁いでいた早紀

京都 後藤家

庄三郎は、後藤家から出てきた与一郎とすれ違いました。しかし与一郎は一言も言わずに立ち去りました。

江戸から戻ってきた庄三郎を、徳乗と長乗が応対します。徳乗は上機嫌でした。

庄三郎は、長乗の作った駿河小判を真似て、江戸でも小判を作りたい、それに後藤の名を刻みたい、と頼みました。しかし、徳乗は、庄三郎は後藤の身内ではないと断ります。早紀との夫婦約束もなくなっていました。

「しゃあないやないか。江戸でうつつ抜かして、戻ってけえへんかったお前が悪いのや。」

長乗の代わりに江戸に残ったという庄三郎の言い分は無視されました。そして早紀は、江州屋に嫁いでしまっていました。

愕然とする庄三郎。「やっぱり、最初からあてを江戸に残すための空約束やったんですね。」

自分の不埒を棚にあげて、と怒り出す徳乗たち。

庄三郎から早紀への文は燃やされていました。そろそろ十念寺の兄のところに行けと追い出そうとする徳乗。

 

家康と秀吉を欺いた後藤家

「いえ、まだ帰れません。それやったら、改めて、別のお願いを申し上げます。あてを後藤家の養子にしておくれやす。」

怒りだす徳乗と長乗。下働きの庄三郎を養子にできるわけがない、そこまでして小判などというちっぽけなもののために秀吉を欺くのか、打ち首になってもおかしくないと言います。

しかし白を切る正三郎。江戸にはまだ一枚も小判は流通していないのです。

ただの下働きの自分を、後藤家は江戸に残しました。秀吉の許可を得て、後藤家を江戸に招いた家康を欺いたことになる、秀吉の家康への面目も丸つぶれです。

「あ~、後藤家がおとがめを受けなければええですが。あっ、まあ、ただの下働きのあてには関わりのないことですけど。」

そしてもう一度、養子にしてほしいと庄三郎は頼みました。

 

猶子になった庄三郎

憤怒の表情の徳乗。猶子なら、と苦々しく言いました。

「猶子でも後藤は名乗れるで。ただし、お主の一代限りやけどな。それと、猶子の礼金として、毎年金子3枚、子々孫々に至るまで払い続けよ!」

庄三郎「名は一代しか使わせへん。礼金はずっと続くいうわけですか。」

しかし庄三郎はその条件を飲みました。

「あっ、それともう一つお願いが。」

「まだ、あんのんかいな!」

 

与一郎を頼む庄三郎

それは与一郎のことでした。外でこっそり聞いていた与一郎は自分の話が出てびっくりします。

江戸でめきめき腕を上げた与一郎。その腕は、後藤家にとってこそ役立てるべきと思い帰した、末長く面倒を見てください、と頼みました。

徳乗「まあええやろ。これよりは後藤庄三郎光次と名乗られよ。」

「ありがとうございます。」

徳乗は足音も高く出ていき、高乗も悔し気に出ていきました。

 

いつか自分の名で自分の仕事を

外で待っていた与一郎。家康が小判をつくっていることを知らせる代わりに、後藤家においてもらったのだと白状しました。

それを見抜いていた庄三郎。しかし、自分を売った与一郎を徳乗達が信用するとは思っていません。一度裏切ったものはまた裏切る、そう思われて当然です。

肩身の狭いだろう与一郎を慮った庄三郎。腕を上げたと言うのは嘘ではない、ここでしがみついてでも、いつか自分の名で自分の仕事をするように、とそう言いました。

思わぬ庄三郎の優しさに目を真っ赤にする与一郎。立ち去る兄弟子にずっと頭を下げ続けました。

 

早紀を捨てた庄三郎

江州屋を訪ねた庄三郎。帰ってきた早紀とばったり会いました。江州屋は秀吉の覚えもめでたい、後藤家にとってはいい話だったのだと早紀は言います。後藤家に生まれた以上、後藤家のために嫁ぐのは当たり前。

早紀は、庄三郎に謝りました。叔父のために江戸に残されたこと、夫婦話がなくなったこと。謝る一方で、早紀は指摘しました。どんな理由があっても帰ってこようと思ったら帰ってこれたはず、庄三郎は自分で江戸に残ることを決めたのだと。

「あんたがうちを捨てたんや。」

早紀は立ち去りました。

 

関ケ原

江戸最初の武蔵小判

『後藤家の猶子となり江戸に戻った庄三郎は、新たに名に「光次」と加えた。その2文字を墨書きした、江戸最初の武蔵小判がここに完成した。』

出かける庄三郎を見送ってくれる栗。庄三郎は、栗が早紀の代わりに返事を書いてくれたのだと気づきました。

「あての目を欺くとは大したもんや。」

謝る栗ですが、あの手紙のお陰で自分はやってこれたのだと、庄三郎は礼を言いました。

「お栗様のお心遣い、一生忘れません。おおきに。」

 

関ヶ原へ向かった庄三郎

秀吉が死に、関ヶ原の合戦が始まりました。家康に命じられたとおり、小判を作り続ける庄三郎たちですが、家康が負けたらどうなるのか。不安でいてもたってもいられず、庄三郎は関ヶ原へと馬で向かいました。

 

庄三郎の旗

関ヶ原で勝利した家康。家康は、自らの勝利を信じられません。そこへ庄三郎の声がしました。

「こたびの大勝利、おめでとうございます!」

家康は、庄三郎に急いで京へ行くように命じました。京が混乱している間に、後藤家よりも先に自分の旗を立てろと言うのです。

旗と言われて意味が分からない庄三郎。何度も繰り返して、ようやくその意図が分かりました。

「旗! 旗や!」

『家康の敵対勢力が 一挙についえ、混乱を極める京の町へと庄三郎は急いだ。』

 

庄三郎の勝利

新たな天下人、家康の庇護

急いで寺の兄を訪ねる庄三郎。兄に墨をすり、材木を集めるように頼みました。「家康様の命により、あてらの旗立てるんや!」

橋のそばの高札を立てる場所へと急ぐ二人。後藤家の札はまだ立っていません。

「間に合うた。」

そこへやってきた徳乗達。「庄三郎!何をしておるのや?」

庄三郎「見てのとおりでございます。戦に勝利したあてらの意向を知らしめるのです。」

「何やて…?」

持参した高札を読み上げます。

「金銀銭についての政はこれを改めはせぬ。皆、これまでどおり案じて商いに励むべし。徳川家康」

『それは庄三郎が、新たな天下人、家康の庇護を受けている証しであった。』

 

何よりの果報者の証

反対する徳乗。「あかん!そのようなまねは断じて許さんぞ!お前、後藤家の人間やろ。猶子にしてやった恩を忘れたんかいな!」

庄三郎「忘れてなどおりません。後藤家に教えていただいたこと、受けた恩義は生涯、忘れません。せやけど、それ以上に受けた何倍もの屈辱は、たとえ何年時が過ぎようとも決して忘れることなどできん。」

いつか早紀に後藤家を恨んではいないと話した庄三郎。恨んでいたのは自分の運命。しかし、家康に認められ、自分の名で誇りをもって小判を作っている自分。

「今のあては、何よりの果報者や。この高札は、その証なんや!何が何でも立てねばなりません。」

止めようとする徳乗ですが、庄三郎は、兄にその札を立ててもらいました。

庄三郎「これで世は変わる。」

 

ただの私札が抜けない徳乗

笑う徳乗。こんなものはただの私札。なんの効力も無いと言います。

庄三郎と兄は地面に座り込みました。「そない思うんやったら抜きなはれ。」

「抜け!」

徳乗は、抜こうとしますが、どうしても躊躇して抜けませんでした。

庄三郎「間もなく、ここにも徳川勢が参ります。あなた様は敵方についた身。早々に京を離れなはれ。」

徳乗「お前ごときにこの身を案じられようとは、片腹痛いわ!確かに、わしは負けた三成に組した。せやけどな、弟の長乗は徳川方につかしてる。後藤家は滅びん。」

そこへ急いでやってきた早紀。徳乗がまだいると聞いて心配できたのです。一緒に行こうと言う早紀ですが、徳乗は一人で立ち去ると言います。

「後藤庄三郎光次。せいぜい励むがいい。」

 

早紀との決別

早紀との別れ

高札を読んだ早紀。

「あんたは徳川家康というお人に、ほれたんやなあ。」

早紀も急いで立ち去ろうとしました。「庄三郎も達者でな。」

庄三郎「お嬢さん!風邪ひかんように。おなか壊さんように!」

橋の真ん中で立ち止まってそれを聞いていた早紀。礼を言って振り向くと人にぶつかってしまいました。頭の上にかぶっていた薄布と手紙が風に飛ばされて、庄三郎の足下へ飛んできました。それは庄三郎が早紀へ宛てた手紙でした。

 

庄三郎からの手紙を暗唱

早紀は手紙の内容を覚えていました。

「夕べもまた早紀様に会いに行きました。皆が寝静まったのを見計ろうて、密かに床を抜け出し、遥か135里の道のりを走って走って走って。あては早紀様の待つ京へと舞い戻るのです。

早紀様は、あの裏山の石段の上で待ってて、笑てこういうのです。『やっぱり188段やな』と。あては187やというのに、早紀様は譲りません。あての願いは、早紀様と正月には元日詣でをし、夏には祇園会と送り火を見て。そうやって早紀様と共に生きていけたら。

もっともっと話したいのに、気い付いたら早紀様の姿はどこにもなく、あては、この遠い江戸の地で、一人目を覚ますんです。

早紀様、今、何をしてはりますか。今すぐ早紀様のもとに駆けつけたい。待っててください。お役目を全うして早紀様のもとへ帰ります。必ず戻りますからどうか待っててください。早紀様のために、早紀様と共に生きていたいのです。」

涙が早紀の目にあふれました。

「何度も捨てよう思たのに、これだけはどうしても捨てられへんかった。うちもアホやなあ。待てなくて堪忍な。これはお返しします。」

早紀は笑顔を向けました。

「庄三郎もどうかお達者で。あんたの京ことば変わらへんな。」

 

間違っていた庄三郎

神社への石段を一人登ってみる庄三郎。

「185、186、187。」

まだ1段あります。

「188。あ~。すんまへん、お嬢さん、あてが間違うてた。」

石段の上から叫びました。「間違うてました~!」

 

庄三郎は江戸の町

高台から江戸の町を見下ろす家康と家臣たち。庄三郎もそこにはいました。

家康「庄三郎。こたびの働き大義であった。」

庄三郎「ありがたきお言葉。もったいのうございます。」

家康「見よ。お主はこの江戸の町じゃ。初めは、誰も見向きもせぬ、ただの荒々しい大地じゃった。しかし、だからこそ、そこには大きな可能性がある。だからこそ、わしはお主に小判作りを任せたのじゃ。」

庄三郎と共に江戸を見下ろす家康。

「天下統一など、ただの越すべき峠の一つにすぎぬ。そのあとの世をどうすべきか。それこそが、わしらのやらねばならぬことなのじゃ。いつの日か、お主の作る小判が、国の隅々まで行き渡り、商いが盛んになり、この江戸に多くの民が集う。それを成し遂げるのはお主らじゃ。この江戸の町はお主らの町なのじゃ。」

 

前編・水を制すはこちらです。家康、江戸を建てる・前編 完成と思ったら大噴水!菓子司が江戸の扉を開く。

 

感想

昨日のどことなくひょうひょうとした感じの家康とは全く違っていました。今日は自害なんて言葉もでるくらいです。関ヶ原に勝って茫然とするところ以外は、今日の市村さんは険しい顔つきでした。

最近、吉田鋼太郎さんも吹越満さんも、呑気でふわーとした役をお見かけすることが多かったのですが、今日は憎らしかったですねえ。さすがの演技力でした。柄本佑さんとからむと場が迫力がありましたね!

最後の早紀が、庄三郎からもらった手紙を空で読み上げるシーンは泣けましたね。親の勝手で婚約させられ、破談にされた二人。あまりにも気の毒でしたが、早紀はその運命を受け入れて生きていく、すごく強い女性です。それまで自分の運命を受け入れている様子だったのが、この手紙のシーンで、早紀のそれまで押さえていた感情があふれ出して、泣けました。

この『家康、江戸を建てる』、今回は、飲料水、貨幣と2つですが、原作では、治水工事、貨幣鋳造、飲料水の確保、江戸城の石積み、天守の建設の5つだそうです。治水工事も前編で描かれなかったわけではないけど、言葉で説明されただけでしたね。今回のドラマがとても面白かったので、他の3つも映像化してほしいです!

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