遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます6話 どんな役でも入り込む高嶋政伸さんの場合
公開日:
:
最終更新日:2018/12/20
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます
今回のゲストは高嶋政伸さん。遠藤さん曰く、一語一句研究し抜いて、本番を迎える方と言うことです。今回の代役も完璧すぎるほどに備えて演じられました!
遠藤賢一「世界中の俳優たちが残した名言、唯一共通しているのは『役者の生き方が芝居にでる。』同じ台本の同じ役でも演じる役者によって異なる。宮藤官九郎が書いた10分の脚本、それを違う役者が演じたらどう変わるか、勉強させていただきます。」
Contents
諸井情の事件簿 Case5赤いサイキック捜査官 オリジナル編
連続猟奇殺人、エスカルゴ。死体には必ずカタツムリのマークを残します。捜査にあたる人情派の警部・諸井情(遠藤憲一)
殺人現場。壁には一面にエスカルゴマーク。諸井がその前に立っています。先週、諸井の元妻・ミキを殺したバーテンダーの部屋を突き止めると、女性が殺されていました。
バーテンダー「お二人の再スタートにお店からです。バーには終わりもあれば始まりもあるんですね。」
カウンターで死んでいるミキ。
田所「コンビニの防犯カメラに写っていた人物と警察官に偽装していた人物、どちらもあのバーテンダーだと判明しました。エスカルゴはあのバーテンダーで間違いないですね。」
被害者は高村由紀子、27歳。カフェ店員。バーテンダーの恋人だったようで、二人が写っている写真がありました。
諸井「殺害するために恋人になったのか。」
金城「そうとは限りませんよ。ミスター諸井。」
そう言って入ってきた男は、FBIのコンサルタントを務めるサイキック捜査官のフレディ金城。上からの判断で、捜査に加わることになりました。遺留品から、持ち主の意識と交信して死者が見た景色を見ることができると言います。疑わし気な諸井をみて、見せたほうが早いと被害者が触れたものを求めます。田所がバーテンダーと被害者、二人の指紋がついたグラスを渡しました。
テーブルに座る金城と諸井。金城は、両手をグラスに向けて、意識を集中します。「見える。ショッピングモール、カフェ、公園、海岸。女性の顔が見えます。」
女性の顔が見えることが気になる諸井。死者の見た景色が見える金城。と言うことはバーテンダーも死んでいるのかと動揺します。
続ける金城「背中が見えます。男性の背中です。マンションの部屋に、ほっそりとした背広を来た男の背中。」
諸井は後ろの壁を見ました。
金城「諸井さん、あなたが見えます。」
田所「どういうことか。まさか諸井さんが。」
金城は諸井を指します。「エスカルゴ。」
慌てる田所と金城。諸井は立ち上がって、椅子を持ち、壁を背に立つ男二人に向かっていきました。慌てて避ける二人。諸井はエスカルゴマークの描かれた壁を壊しました。そこから出てきたのはバーテンダーの死体。胸にはエスカルゴマーク。
諸井「エスカルゴに操られて、用済みになったから殺されたんだ。おい、バーテンがエスカルゴの顔見てないかみてくれ。」
意識を集中する金城「闇だ、深い闇しか見えない。こんな悲しい闇は見たことがない。」
高嶋政伸に代役
「はいオッケー」
サイキック役、オールアップです。花束を渡す前に「だいじょうぶだよね!」と確認する遠藤さん。
しかしサイキック役が帰った直後に、「は?嘘だろう?」もめだした監督、助監督、アシスタントプロデューサー。監督は遠藤さんを振り向きますが、遠藤さんは無言です。監督は、遠藤さんの手を引いてそばに連れてきます。もう一度「は?嘘だろう?」
ようやく反応してくれた遠藤さんに喜んで、監督はカップルの証拠写真に助監督が写りこんでいたと説明します。寄りで見ると、助監督とアシスタントプロデューサーがキスしています。自然でいいじゃんと言う遠藤さんですが、アシスタントプロデューサーが二股をかけているから絶対だめですと声を張り上げます。
監督「どっかにサイキック役、いないっすかね。」
そこへ現れた高嶋政伸。隣でドラマを撮っていたと言います。高嶋さんは、1回、段取りつけると入り込む役者と絶賛する遠藤さん。遠藤さんに、高嶋さんにサイキック役をと頼みこむ監督。一語一句確認する、研究し抜いて本番を迎える人だから駄目と言いますが、話が聞こえていた高嶋さん。「いいですよ。僕なりにやってみますよ。」
高嶋政伸バージョン
人の魂を自分の魂に乗り移らせるフレディ金城
バーテンダーの部屋を突き止めた諸井たち。来てみると女性が殺されていました。二人の写った写真を見ます。
諸井「殺害するために恋人になったのか。」
金城「そうとは限りませんよ。ミスター諸井。」
田所が、FBI のコンサルタント、サイキック捜査官のフレディ金城と紹介します。
金城「イエス。僕は人の魂を自分の魂に乗り移らせることができます。死者でも生存者でも。要するにイタコみたいなもんです。」
諸井「生存者でも?」
金城「オフコース。」
諸井「じゃ、エスカルゴを呼び出すこともできるのか?」
金城「当たり前でしょう。逆に誰を呼び出すつもりだったんです?犯人が一番手っ取り早いでしょう。居場所を聞いちゃえば、事件解決です。」
早速やってもらうことになりました。
死者を呼び出す呪文「エスエスエスカルビー」
テーブルに座る金城。諸井がその前に座ります。意識を集中して息が荒くなったと思ったら、突然料金の確認をする金城。
「1回降ろすと3万円ですけどいいですか。」
金取るのかと不満げな諸井。
「勘弁してくださいよ。イタコだってタダじゃないでしょう。逆に無料でやらせるつもりだったんですか。信じられないな、こっちも体力使いますので。」
諸井が同意したので、再び意識を集中。息づかいが荒くなり体を前後に激しくゆすります。両足をテーブルに上げて、指さして「うー、ワンダー!ワンダー!クイクイ」
首を激しく横に振って「エスエスエスエスエスカルビー、エスエスエスエスエスカル」
「ビー」と自分を指します。ガクッと意識を失う金城。
金城「諸井さん。」
諸井「エスカルゴか。」
金城「あ、僕です。今、完全に失敗しました。も1回やります。わかるでしょ。恥かかせないでくださいよ。完全に僕ですよ。降りてきたら変わりますから、目が。」
遠藤さんにも呪文を唱えさせる
気を取り直してもう一度。「うー、ワンダー!ワンダー!クイクイ!何見てんのおじさん。」
笑い出す諸井「え?」
金城「降霊してんだから。一緒に呪文唱えてくれないと困るよ。降りてこないんだから。行きます。うー!ワンダー!ワンダー!クイクイ!」
諸井にも足を上げろといいます。ためらいながら足を上げる諸井。
金城の「うー!ワンダー!」のあとに、「ワンダー」と恥ずかし気に繰り返す諸井。
首を左右に激しく降る金城。笑いながら真似をする諸井(遠藤さん)。「恥ずかしい・・・」
ノリノリの金城「エスエスエスエスエスカルビー」
遠藤さんも笑いながら真似をします。
ガクッとなって、目が変わった金城。
エスカルゴ降臨
諸井「エスカルゴか。」
金城「そうです。私がエスカルゴです。今日は。」
諸井「お前今どこにいるんだ。」
金城「家です。休みなんでパスタ作ってました。」
諸井「家はどこだ」
金城「家は・・・・」
口をすぼめて、変な音を出します。
金城「あ、エスカルゴ、なんて言ってました?僕 降霊中は意識が無いんです。」
諸井「もう少しで家が聞き出せるとこだったんだが。」
もう1回、と諸井が頼むと追加料金と言われました。1回目の失敗したのは50%オフ。渋々同意する諸井。
眠いのは金城本人
足を上げて、首をまた振る金城「エスエスエスエスエスニックー」
首ががくっと垂れます。
金城「あ、またあなたですか。今日は。」
諸井「今日は。家どこだ。」
金城「眠い。眠い。」
足を叩く諸井。「おい、おい。」
金城「諸井さん、エスカルゴなんて言ってました。」
諸井「眠いって。」
眠いと言うことは、夜中に殺害をするのか、それとも時差がある海外かと考え込む諸井。
金城「眠いのは僕です。寝てないんですよ。夜中にエッチな動画を見てたら朝になっちゃって。もう体力の限界ですよ。お会計は2.5回、75000円になります。」
諸井と田所二人で出し合います。
金城「はい、毎度ありがとうございました。回数券もあるのでご利用ください。」
金城は立ち去り、残された二人はぶつぶつ言いあいます。いきなり笑い出す遠藤さん。
『多摩川署きっての人情派、諸井情、その名の通り、情にはもろいが事件には愛される男、そう、彼には明晰な頭脳も冷静な推理力もない。ただ愚直なまでに人を愛し、涙を流す。』
収録後
高嶋は工藤に握手します。
工藤「おもしろかったです。」
これで稽古から解放されると高嶋さんが言うので、工藤さんは「これの稽古?」と驚きました。
熱心に役作りをされる高嶋さんは、足が上げられないと困るからと、事前にセット図も確認したそうです。呪文のワードも完璧だったと感心する工藤さん。
高嶋「考えたんです。あれ、なんでエスカルビーなのか。エスカルゴなんだけどビーとしか言えない苦悩を描いたほうがいいのか。そういうことでもないんじゃないか。」
深すぎる考察に笑う工藤さんたち。高嶋さんは首を激しく振るので、首を痛めて鍼に通ってたそうです。
監督「役作りがすごい。衣装合わせでお会いした時に、このためだけに、恐山に行こうと思ったと。」
しかし高嶋さんが調べると、恐山にはイタコは常駐しているわけではないので、単なる山登りになると断念したそうです。
首を振るのが激しいので、連ドラじゃなくて良かったと工藤さんが言うと、ブードゥー教みたいに却って高揚感が出てくるかもしれないと高嶋さん。役者はとかく付け足そうとするので、ここまでと決めておいて反復運動をしないとと言います。これ以上はやらない、見極めが必要と。笑いながら納得する工藤さん。
遠藤「威力なんだろうね。最後はいけるかな、と思ったけど駄目だったね。変な異次元のバッファーみたいな。」
監督「僕らとしては、台本を工藤さんと作ってるんですけど、一番、時間がかからなかったですね。」
工藤「だんだんそうなってきてるんですけど。テイク1とテイク2の打ち合わせの時間が、テイク1の方が真面目に考えだしちゃって、テイク2はノリノリで、一点でいこうみたいな。これ一点勝負だ、みたいな感じだったんで。これ疑問持たれたらどうしようと思ってたんです。」
高嶋「それはなかったですね。あれ?遠藤さん、ワンダーのコマーシャルやってらっしゃったかな、と調べました。それでワンダーなのかな、と。」
工藤「思いもよらない役作りでびっくりしました。」
監督「この乗り移るフレディ金城の役作りで、ずっと事件簿をやっていきたい。」
工藤「フレディ金城の事件簿」
高嶋「すごいな。」
5話、水野美紀さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます5話 便器みたいな顔におっさんの寝起きの口
4話、野村周平さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます4話 勘違いの連続。野村周平さんの場合。
3話、高畑敦子さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます3話 遠藤さんは笑いを堪えるのに必死。
2話、仲里依紗さんと加藤諒さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます2話 感想 28歳同士の親子
1話、小栗旬さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます1話 感想 下駄のカランカランが怖い工藤官九郎
感想
今回は高嶋政伸さん。本当に真剣に役作りをされる様子がうかがえます。おそらく工藤さんがそれほど深い意味もなく作った呪文も、一語一句間違えることなく完璧に覚えられていたとのこと。今のところ、みなさんアドリブは入れつつも真剣に脚本通りに演じられているようですが、一番真剣に真面目に演じられたのではないのでしょうか。
今日も遠藤さんは笑い通しです。おかしな呪文を一緒にやってくださいと言われて恥ずかし気にやっている様子は、素の遠藤さんでしたね。一方、この奇妙なサイキック捜査官を真顔で演じられる高嶋さんもすごかったです。そういえば、いつもはゲストの方も吹き出したりしますが、今日は高嶋さんは吹き出さなかったような気がします。高嶋政伸さん、ここまで役に入り切る方だとは思いませんでした。
来週最終回は、桃井かおりさんです。こちらも楽しみですね。
関連記事
-
-
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます1話 感想 下駄のカランカランが怖い工藤官九郎
宮藤官九郎さんの10分の脚本。違う人物が演じたらどうなるか。毎週豪華ゲストが出演します。1回目は小栗
-
-
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます5話 便器みたいな顔におっさんの寝起きの口
今回のゲストは水野美紀さんです。お酒をぐびぐび飲む、おっさんの入った元妻役を演じられました。水野さん
-
-
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます3話 遠藤さんは笑いを堪えるのに必死。
今回のゲストは高畑敦子さん。FBIの凄腕捜査官を高畑敦子さんならではの演技力で演じられました。遠藤さ
-
-
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます4話 勘違いの連続。野村周平さんの場合。
今回のゲストは野村周平さん。とにかく熱い派手な演技でした。思いもかけないアドリブに遠藤さんと顔を見合
-
-
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます2話 感想 28歳同士の親子
今日の代役は親子役で同じ年の仲里依紗さんと加藤諒さん。かなり無理のある設定で、シュールさが際立ちまし
Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/ohcbxvri/public_html/ruriblue.com/wp/wp-content/themes/stinger3ver20140327-3/single.php on line 124