遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます5話 便器みたいな顔におっさんの寝起きの口
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遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます
今回のゲストは水野美紀さんです。お酒をぐびぐび飲む、おっさんの入った元妻役を演じられました。水野さんの迫真の演技に遠藤さんは今回も笑いをこらえるのが大変。二人で吹き出す場面も見られました。
遠藤賢一「世界中の俳優たちが残した名言、唯一共通しているのは『役者の生き方が芝居にでる。』同じ台本の同じ役でも演じる役者によって異なる。宮藤官九郎が書いた10分の脚本、それを違う役者が演じたらどう変わるか、勉強させていただきます。」
Contents
諸井情の事件簿 Case5赤い元妻 オリジナル編
連続猟奇殺人、エスカルゴ。死体には必ずカタツムリのマークを残します。捜査にあたる人情派の警部・諸井情(遠藤憲一)
元妻とバー「リルゴ」を訪れる諸井
バー「リルゴ」を訪れる諸井と元妻・広瀬ミキ。この店を見たかった諸井は、緊張感のあるおっさん一人だと目立つからとミキを誘いました。別れて初めて会う二人。エスカルゴの被害者の何人かがここに通っていたので、共通点がこのバーと分かれば、捜査が大きく前進するのです。
店に男が入ってきて周りを見渡しています。緊張する諸井ですが、女性との待ち合わせだったようでほっとする諸井。そんなに簡単にはいかないかとがっかりする諸井に、ミキはそうやって決めつけるのは悪い癖と言います。二人が離婚をしたのも、捜査で家を空けがちの諸井が、ミキを不幸にすると決めつけたからだと言います。自分は不幸ではなかったのにと。
痩せた諸井を心配したミキは食事を作りに行こうかと言いますが、断る諸井。誰かほかにいるのか、そう聞かれていないと即答する諸井に、ミキは自分は好きな人がいると言いました。
「あなたの知っている人よ。すごくよく知ってる人。その人のことがずっと好き。不器用で、仕事バカで誰よりも情にもろくて。」
ミキは、結婚生活で一番幸せだった思い出を知りたがります。もしも二人の思い出が同じだったらやり直せるのではないか。入ってくる客を気にしながら、話を続けます。諸井の選んだ思い出は目覚めた時にミキが隣に寝ていたこと。自分も同じだとミキは微笑みながら、諸井の手を触りました。
「バーには終わりもあれば始まりもある」
二人にシャンペンが出されました。「お二人の再スタートにお店からです。バーには終わりもあれば始まりもあるんですね。」
礼を言って、グラスを合わせる二人。
ミキは男がトイレに行ったと伝えました。さきほどトイレに行った女性はまだ戻ってきていません。ここのトイレは共同。気になって諸井は様子を見に行くことにしました。心配するミキに、すぐに戻ってくるから、と手を握る諸井。
「先飲んでて。戻ってきたらさ、これからのこと話そう。」
嬉しそうに笑顔で手を離す二人。ミキはシャンペンを飲みました。
トイレに行くと女性と男性が外で待っています。ずっと使用中、誰も出てこないのだと言います。諸井がノックすると応答が無いので、ドアを押し破りました。中ではバーテンダーが殺されていました。壁にエスカルゴマーク。
先ほどのバーテンダーを思い浮かべます。
「バーには終わりもあれば始まりもあるんですね。」
慌ててカウンターに戻る諸井。ミキがカウンターに突っ伏しています。そばのコースターにはエスカルゴマークが残されていました。
「ミキ!誰か、救急車!おい、また一緒に住むんだろ!」
『多摩川署きっての人情派、諸井情、その名の通り、情にはもろいが事件には愛される男、そう、彼には明晰な頭脳も冷静な推理力もない。ただ愚直なまでに人を愛し、涙を流す。』
水野美紀に代役
「はいオッケー」
広瀬ミキ役、オールアップです。花束を渡す前に「今日だいじょうぶだよね!」と何度も確認する遠藤さん。助監督は「完璧です。」と太鼓判を押しました。
しかし、女優が立ち去った途端、もめだした監督、助監督、アシスタントプロデューサー。絶対じゃねえじゃんよ、と遠藤さん。カップル役の女性は19歳、未成年にカクテルを出してしまった、コンプライアンス的にまずいのだと言います。ノンアルコールで通せという遠藤に、そういう考えは、ばれたらバイキングで叩かれると監督。
監督「誰かいないっすかね。」
そこへ、隣で撮影していたという水野美紀がやってきました。ハグをする遠藤と水野。二人は誕生日も一緒と水野は言います。監督がミキ役を水野美紀に、と遠藤にこっそり頼み込むと、それが聞こえた水野。
「いいですよ。私なりにやらせてもらっていいですか?」
水野美紀バージョン
飲み続けるミキ
カウンターに座る二人。ミキはごくごくとお酒を飲むペースが速いです。すでに酔いが回ったらしいミキ。カタツムリだっけ、と笑い出します。更にお酒を頼むミキ。
「ちょっと飲みすぎじゃないか。」
男が入ってきて、諸井に緊張が走りましたが、女性との待ち合わせでした。どんどん飲み続けるミキに、飲みすぎだぞと諸井。
いきなり吹き出すミキ
ミキ「そうやって決めつけるところ変わってないね。家に帰ってこれない自分といても不幸になるだけと・・・」
いきなり吹き出すミキ。
「私たち・・」また吹き出します。「離婚したんだっけ。」
泣き始めたミキ。「会えない時間が長くても不幸じゃなかった。勝手に決めて!」と今度は怒り出し、お酒を自分で注いで飲み続けます。
いきなり見つめあう二人。
「なに見てんのよ。」
ひるんだ諸井に、うそうそーと寄り掛かるミキ。痩せたことを気にして食事を作りに行くといいます。
いいよという諸井に「いいよって、どっち?」とミキ。
誰かいるのかとミキが問いかけると、いるわけないと諸井は言います。
ミキは大声で「だろうな!酒がうめえ!」
また更にお酒を注ぎます。
諸井じゃなくてキモイ
君はどうだと訊かれて、好きな人はいる、そう答えるミキ。
諸井「そうか、もう別れて2年2か月だもんな。」
ミキ「どんな人か聞きたい?あなたの知っている人よ、すごくよく知ってる人。その人のことはずっと好き。不器用で仕事バカで誰よりも情にもろくて。」
自分のことだと思う諸井。
ミキ「違う!きもいわー!自分だと思った?図々しいにもほどがある。それにさっきの2年2か月ってなに?2年でよくない?なに月まで細かくカウントしちゃってるの?ないわ。そういうとこ、きもいわー。あなた諸井じゃなくて、キモイだわ。」
ミキの彼は2人、年下とハゲ
同業者だというその男を気にする諸井。
ミキ「そんなことよりさ、真面目に話をしましょう。あなたと私の結婚生活の中で一番幸せだった思い出ってなに?」
男が入ってきました。諸井の後ろを通って、カウンターに座りました。その男を気にする諸井。
諸井「一人か?」
ミキ「ん?」
諸井「今、男一人か?」
自分の彼のことを聞かれたと思ったミキ「今は二人。年下とハゲを二股で。交代で会ってる。」
諸井「そうじゃなくて、俺の後ろの男、一人か。」
おっさんの寝起きの口
ミキ「そんなこと、どうでもいいから、早く一番の思い出言えよ。」
諸井「一番の思い出。大げさなもんじゃなくて、朝目が覚めた時に隣で君が寝てるとか、些細な事思い出すよ。」
ミキ「いいじゃん。」
諸井「え、いいのか。」
ミキ「ぐっときた。私にも聞いて。一番幸せな思い出が一緒だったらすごくない?」
諸井「俺と結婚して一番幸せだった時・・・」
ミキ「別れた時!ないわー。朝起きて君が隣にいて、ないわー、それ私が一番つらかった時。おっさんの寝起きの口はくせえ。この世で一番くせえ。」
便器みたいな顔
客の女性がトイレに行きました。
諸井「ここ男女共同だったよな。」
ミキ「トイレ?なによ、便器みたいな顔しやがって。」
二人で吹き出します。こらえる諸井(遠藤さん)。
「ちょっと様子見てくるから。」
ミキは止めます。「まだ話終わってないでしょうが。」
ほら、と諸井を座らせて、諸井と腕を組むミキ。「二番目に幸せだった思い出はなに?」
諸井「そうだな、たまに君が料理作ってそれを半分ずつ食べたときとか。」
笑うミキ「きもいわー。きもいわー。」
テキーラを要求するミキ
シャンペンが出されました。「お二人の再スタートにお店からです。」
シャンペンに不満のミキ。「だったらテキーラ持って来いよ。ばかやろう。テキーラ!」とカウンターを叩きます。
ごめんね、とバーテンダーにシャンペンを指す遠藤。シャンペンは下げられました。
「テ・キーラ!テ・キーラ!のーませろ!」笑いそうになりながら、叫び続けるミキ(水野さん)。
ハゲと年下
遠藤は信じられない目でミキを見ます。「人と会ってるってどんな感じなんだ。」
ミキ「ハゲのほうは。」
笑い出す諸井。「急にハゲってな。」
ミキ「一緒に飲んでくれる。」
諸井「年下の方は?」
ミキ「一緒にクラブ行ってる。」
諸井「ハゲのほうっていくつだよ?」
ミキ「23。」
驚いた諸井「若いほうっていくつだよ?」
ミキ「22。」
諸井「1っこ違い。両方とも好きなのか?」
ミキ「どっちかっていうとハゲの方が好き。植えるっていうから止めてんの。」
笑い出す諸井(遠藤さん)。
ミキ「そのままでいいよって。テキーラまだかよ!テキーラ!」
諸井「ちょっと俺、様子見てくるわ。」
ミキ「まだ話終わってない。一人にしないで。」
諸井「俺、なにしにきたんだ?ここ。」
ミキ「知らねえよ。便器みたいな顔しやがって。」
笑う二人。
収録後
水野「めちゃくちゃ緊張しました。台本もらってから今日までずっと緊張していました。」
クドカン「いや、皆さん、そう言いますよね。」
水野「工藤さんの本でやらせてもらえるって嬉しいんです、すごく。面白いから、この面白さをちゃんとできるか、出せるかっていう。」
緊張しているようには見えなかったという監督に、緊張をうまーく逃がしているんですと水野さん。
遠藤さんは最初の読み合わせの時からはまってしまい、やばかったと言います。
遠藤「ブッてのがね、ちっちゃい声で読み合わせたのに、ブッてやつがね。はまっちゃったよ、おれ。」
クドカン「同じセリフでも、途中で吹いたら台無しなんですね。比べてみてよく分かりました。今回が一部と二部で同じセリフが一番多い。いい感じの二人のカップルが途中で吹いちゃったらダメなんですね。」
水野「ドラマの現場でもシリアスなの撮ってると、撮影の時間って長いから、役者同士でアドリブいれて遊んだりして。本番では使わないけどその場だけの楽しみ、台本が分かってる人じゃないと面白くない遊びみたいな。現場ではよくありますけど、その感じの面白さを味わえる企画だな、と思いました。」
クドカン「も1回、便器みたいな顔っていうとは思わなかった。」
笑い出す一同。
水野「あの便器みたいな顔って響きがすっごく面白くて。」
遠藤「あのセリフ、突然出てくるから。」
水野「急に来るから。」
クドカン「トイレどうなってたって聞いただけなのに。便器みたいな顔しやがってって、あまり脳みそを通さない言葉ですよね。」
水野「本当ですね、どんな顔でしょうね、便器みたいな顔って。」
ジャージを進呈された水野さん。遠藤さんの顔を見て、その再現度の高さに喜びました。
「着させていただきます。」
4話、野村周平さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます4話 勘違いの連続。野村周平さんの場合。
3話、高畑敦子さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます3話 遠藤さんは笑いを堪えるのに必死。
2話、仲里依紗さんと加藤諒さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます2話 感想 28歳同士の親子
1話、小栗旬さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます1話 感想 下駄のカランカランが怖い工藤官九郎
感想
水野さん自体は、すごくきちんとお話をされる頭のいい方だな、と思うんですけど、当て書きされた役は、いつもドラマで見る水野さんに近かったですね。プラスおっさんが入ったみたいな。工藤さんからみた水野さんのイメージはこんな感じなんでしょうか。
最初のソツないミキに比べて、水野さんのミキはものすごく大胆でした。お酒をぐびぐびのみ、はーと息を吐きだし、諸井さんをすごくコケにして。最初のいい感じになった諸井さんとミキとは全然違っていましたね。便器みたいな顔なんて言葉も飛び出してきました。
今回の遠藤さんも吹き出し、笑い出し、水野さんも思いっきり笑ってしまった場面がありました。これは遠藤さん大変ですよね。毎回吹き出さないようにこらえるのに、一生懸命堪えているんだと思います。
毎回、代役が必要な状況にもっていかなきゃいけないんですけど、その時の監督や助監督、遠藤さんのやり取りも楽しいです。これも工藤さんの脚本なのでしょうが、毎回頭をひねっていらっしゃるんでしょうね。
来週は高嶋政伸さん、サイキック捜査官の役なのだそうです。こちらも楽しみですね。
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