遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます4話 勘違いの連続。野村周平さんの場合。
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遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます
今回のゲストは野村周平さん。とにかく熱い派手な演技でした。思いもかけないアドリブに遠藤さんと顔を見合わせて吹き出していました。オリジナルは望月歩君。こちらも見ていて堪能しました!
遠藤賢一「世界中の俳優たちが残した名言、唯一共通しているのは『役者の生き方が芝居にでる。』同じ台本の同じ役でも演じる役者によって異なる。宮藤官九郎が書いた10分の脚本、それを違う役者が演じたらどう変わるか、勉強させていただきます。」
諸井情の事件簿 Case4赤い復讐 オリジナル編
連続猟奇殺人、エスカルゴ。死体には必ずカタツムリのマークを残します。捜査にあたる人情派の警部・諸井情(遠藤憲一)
警察官舎。諸井と田所は、エスカルゴに殺された元相棒・寺坂の家を訪ねます。もうすぐ49日。誰よりもエスカルゴに近づいていたデカ、寺坂。諸井は手掛かりをつかんだからこそ、殺されたとみていました。
17歳の周平(望月歩)と二人暮らしだった寺坂。諸井たちが訪ねると周平の様子が変です。執拗に出かけようとする周平を止めようとすると、持っていた荷物の中身が飛び出し、ナイフが出てきました。
自分がエスカルゴを殺す、警察は何もしてくれない、周平は止めようとする諸井を殴りました。諸井は殴り返しました。行くのなら自分を先に倒せと。
寺坂は、もしもの場合には、諸井に周平の親代わりを頼んでいたのです。殺された日、寺坂は非番でした。久しぶりの息子と出かける予定、どうしたらいいのか分からないと照れながらも楽しみにしていたのですが、警察から通報があってそちらを優先したのでした。
「おまえが犯罪者になって寺坂が喜ぶと思うか?どうしても仇を取りたいのならお前の進むべき道は一つしかないだろう?」
諸井は、涙を目にためて説得しました。
周平「俺、刑事になります。親父みたいな立派な刑事になってエスカルゴを捕まえてやります。」
遺影に向かって諸井「寺さん、聞いてたか、今の。寺さんの息子、男の中の男になったよ。こんな立派な。」
周平は黒い手帳を差し出します。諸井の情のもろさは刑事としては欠点だが、人間としては宝物、そのように書いてあると周平は言いました。遺影に向かって手を合わせる諸井。
「周平。お前、俺の息子になるか。」
笑いあう二人。その時手帳をチェックしていた田所が寺坂のメモを見つけました。『凶器は小さな刃物。医療用のメス。』
挟んであったバーの写真の裏にはエスカルゴマークと『bar lilgo』。
「ここにエスカルゴが来るってことか。」
野村周平に代役
「はいオッケー」
「望月歩さん、オールアップです。」
花束を渡されて立ち去った望月さん。
そこへもめだした監督、助監督、アシスタントプロデューサー。撮り直しを察して、周平役の望月君が帰る前に急いで止めようとする遠藤。しかしアシスタントプロデューサーが声を張り上げました。「彼は無理です。思春期なんでこの後デートです。」
今回の撮り直しの理由は、周平の荷物の中にあった助監督の私物のSMグッズ。コンプライアンス的にまずいのだと言います。分かんないよ、と言う遠藤に、これでもですか、と助監督はシャツを脱いで、赤いロープをがんじがらめにしている様子を見せました。
監督「周平役、何とかならないですかね。」
そこへ、隣で撮影していたという野村周平がやってきました。挨拶に来てくれたという野村。監督は周平役を今をときめく野村周平に、と遠藤に頼み込むと、それが聞こえた野村。
「やりましょうか?僕なりでよければやりますよ。」
野村周平バージョン
諸井たちが寺坂の家を訪ねてくると、周平が慌てて出てきました。線香をあげたいと言って家にあげてもらいます。諸井たちを歓迎していない様子の周平の顔がアップになります。
線香をあげた諸井が振り返ると、そこで正座して周平が包丁を研いでいました。
「何をやってるんだ。」
「エスカルゴを殺す。」
止めようとする諸井を周平は殴りました。それを殴り返す諸井。テーブルに倒れ掛かった周平。テーブルはひっくり返り、壁から調理器具も全部派手に落ちてきました。
諸井は自分を倒してから行けと言いました。もしものことがあったら自分に親代わりになるようにと頼んでいた寺坂。その話を聞いて泣き出す周平。もっと話がしたかったよと言って諸井に殴り掛かります。
「ちくしょう、エスカルゴ。諸井さんを倒して、エスカルゴを倒すんだ。」
めちゃくちゃに殴る周平を田所が止めました。諸井は鼻血が出て意識が朦朧としています。
「周平、俺を倒してから行けってのはさ、行くなってことだ。」
「嘘だろう。」
「嘘じゃないよ。普通に考えれば、そう言われたら、俺のこと親身になってくれてるんだ、って行くの止めるんだよ。もうさ、俺のこと倒すな。」
「ちょっと何言ってるか分からない。」
「分かってくれよ。寺さん、亡くなった日さ、非番だったんだよ。周平と出かけるんだって、久しぶりに周平と長い時間いるから、なんか照れるって。」
それを聞いて声を震わせる周平。
「そうだったのか、親父。俺、全然知らなかった。そんなに楽しみにしてたのかよ。コミケ。コスプレとかこっそりやってたのかよ。魔法少女まどかかよ?答えてくれよ。親父!」と諸井の首を絞めます。
「親父!親父はもうコミケにいけない。諸井さんを倒してエスカルゴを!」
田所が周平を引きはがします。諸井は気を失っています。
咳き込む諸井。「周平。もう俺、絶対倒すな。」
周平「じゃあエスカルゴ殺しに行ってもいいの。」
諸井「違うだろう。よく話を聞け。寺さん、コミケにいくことを楽しみにしてたんじゃないぞ。お前と一緒にいることを楽しみにしてたんだぞ。」
周平「嘘だろう。」
諸井「嘘じゃない、よく考えてくれよ。」
周平は頭を抱えて泣き出しました。
諸井「周平。今日来たのはな。」
諸井が話し出すと、頭を伏せて泣いた状態のまま、黒い手帳を「はい。」と差し出す周平。
「その手帳に諸井さんのことも書いてありました。親父、いつも褒めてました、諸井さんのこと。情に厚い刑事だって嬉しそうに話してました。話にオチがないって。情に厚いけど、つまんねえことばっかりずっと言っているって。だからキャバクラでもてないって。故に、諸井が一番好きなのはフィリピンパブだって。言葉が通じないからオチがなくてもいける、金さえ見せればげらげらわらうって、諸井さんのことそう言ってました。」
ショックの諸井。「嘘だろう。」
「本当です。」
気を取り直した諸井。「それよりさ、寺さんさ、お前が犯罪者になったら喜ぶと思うか。復讐したいなら仇取りたいならお前の進むべき道はたった一つしかないだろう。」
周平「諸井さん。」
分かってくれたと期待する諸井。
周平「俺、Youtuberになります。女がキュウリバリバリ食うとかどうでもいい動画で荒稼ぎするYoutuberに俺、なります。」
目をぱちぱちさせる諸井。遺影に向かっておりんを乱暴に何度もたたいて、頭を下げます。
「あと、諸井さんの息子になりたい。」
顔が固まる諸井。「即決はできないな。」
田所も一緒に祈ります。そこへ膝でにじり寄ってきた周平。「諸井さん、僕も。」
周平は、諸井の首をしめます。「諸井さんを倒さないと。」
笑い出す諸井(遠藤)と周平。
諸井「すごいなあ、何の話したか覚えてるか。」
周平「諸井さんを倒す話。今日は何で来たんですか?」
吹き出す二人。
諸井「よくこの年まで生きてこれたな。」
周平「生きてこれました。」
笑いながら諸井「友達とかいんのか、お前。」
周平「友達になってください、諸井さん。」
諸井「それも即決はできないな。帰るわ。」
『多摩川署きっての人情派、諸井情、その名の通り、情にはもろいが事件には愛される男、そう、彼には明晰な頭脳も冷静な推理力もない。ただ愚直なまでに人を愛し、涙を流す。』
収録後
野村「難しかった。」
クドカン「難しかったですか。」
野村「最初はめっちゃふざけれるな、やったと思ってたけど、読むにつれて、やばい、これ真剣にやらなきゃいけないんだ、と緊張し始めて、眠れなかった。」
クドカン「淡々と間違えたことを言うのって面白いですね。」
周平「面白いと思いながら言うのはいいんですけど、今回は面白いと思っちゃいけなかったんで。なんかそこが本当にいつもの本気具合で行かないとだめだったんで、ふざけてなかったですよね。」
皆のお気に入りは最後にもう一度首をしめたシーン。遠藤さんも吹き出していました。アドリブが好きだという野村さん。自分のパートが終わったので、遊びの時間と思ってエンケンさんの首をしめてみたのだそうです。野村さんが直前にニヤッとしているのに遠藤さんも気づいたそうです。
クドカン「話が喋ってるうちにどんどんいろんな方向に。面白かったです。」
監督らしい男性「野村さんと決まった時に、工藤さんと話して、まずとにかく1回、熱い芝居がしたい、シリーズを通して、アクションを1回はやっておきたいと。」
野村さんは、アクションがあると次のセリフが出てこないそうです。感情と反対のセリフをいうので上手くつながらないようです。
クドカン「1回しかできないですよね、こういうのって。」
野村「またやりたいな。」
クドカンと監督「じゃあ是非是非。」
番組のジャージを受け取った野村「逆に勉強させていただきました。また絶対呼んでくださいね。」
3話、高畑敦子さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます3話 遠藤さんは笑いを堪えるのに必死。
2話、仲里依紗さんと加藤諒さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます2話 感想 28歳同士の親子
1話、小栗旬さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます1話 感想 下駄のカランカランが怖い工藤官九郎
感想
今回のオリジナルバージョンは望月歩さんでした。『そして母になる』のナウ先輩、『アンナチュラル』でミコトに挑戦した高校生、白井君の役をやった子ですね。演技がうまいなあ、張りのある声に聞き覚えがあるな、と思っていたら望月君でした。このオリジナルバージョンでも十分すぎるほど堪能しました。追い詰められた役をやらせたらすごいですよね、望月君は。
でも、野村周平さんのバージョンは話がまるで違っていました。とにかく派手です。エンケンさんに殴られて、テーブルをひっくり返しその奥の鍋が全部落ちる。勘違いの連続で、何度も何度もエンケンさんの首をしめてましたけど、最後はアドリブだったんですね。二人で顔を見合わせて吹き出していました。笑い上戸のエンケンさん、今回も吹き出すのを必死でこらえていましたね。
今回は工藤さんの希望で熱いアクションのある回だったようです。感情と正反対のセリフを言うのは難しいといいつつも、かなり気に入った様子の野村さん。何度も何度もまた呼んでくださいとおっしゃっていました!
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