下町ロケット7話 あらすじ感想 動き出した最悪に鈍足なカメと下町トラクター

公開日: : 最終更新日:2018/12/03 下町ロケット2

エンジン・トランスミッションの内製化の方針。佃製作所は帝国重工のプロジェクトから外されてしまいました。佃がいないのならと不参加を表明した野木の説得にも駆り出されます。佃は野木と共同開発を手掛けることになりました。物づくりに熱意を注ぐ佃製作所にくらべて、野木の技術を取り上げようとする帝国重工。野木は啖呵を切って担当の奥沢を追い払いました。

帝国重工の無人農業ロボットの記者発表の翌日に合わせて表面化したダーウィンプロジェクト。そのリーダーは重田でした。

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Contents

財前からの報告とお願い

エンジンとトランスミッションの内製化

佃製作所に打ち合わせに訪れた財前(吉川晃司)。佃(阿部寛)は、独自開発中のトランスミッションを見せました。丁寧に作られたそのトランスミッションに感嘆する財前。

しかし、財前は、エンジンとトランスミッションが、的場(神田正輝)の意向で内製化になってしまったことを告げます。財前は、佃製作所とこれまで築いた信頼関係が失われると説得を試みたのですが、的場も奥沢製造部長(福澤朗)も下請け企業をつけあがらせることはないと冷淡な態度でした。

 

野木の説得

落胆し怒る佃製作所の一同に、一人冷静な佃。財前のこと、最善を尽くしてくれたものと信じていました。その佃に更に願い出る財前。佃が降ろされると聞いて、自分も下りると野木(森崎博之)が言い出したのです。佃に説得させよ、これも的場の指示でした。怒り心頭の山崎(安田顕)達。佃さんに説得をお願いする筋合いではないことは承知しているが、日本の農業を救うためにどうか、と財前は頭を下げますが、これにはさすがの佃も頭に来て自分にもプライドがあると、今日のところは帰ってもらいました。

 

利菜に秘密保持契約

帝国重工 宇宙航空開発部

現在開発中のリユーザブルロケットのバルブシステムの開発を、佃製作所に頼む一方で、帝国重工でも独自に開発をしていました。水原(木下ほうか)は、その開発に利菜(土屋太鳳)にも参加してほしいというのです。しかし佃製作所の娘という立場に懸念して秘密保持契約書を見せました。設計などは極秘情報、佃社長にも漏らさぬようにと。

利菜は家では仕事の話ができなくなりました。

 

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日本の農業の発展

大自然に比べて、些細ないざこざ

新潟県燕市

殿村(立花談春)は咲子(工藤夕貴)と農林協へ米の納品に行きました。しかし、いつもの場所は農業法人の稲本(岡田浩暉)らに占められて、新たな殿村の場所は端の方です。殿村に加入を断られたことを根に持つ稲本は、高いだけが取り柄の殿村さんの米、と嫌味を言います。この間、殿村に追い出された吉井(古川雄大)も、あれだけ俺にでかい口叩いたんだからタダで済むと思うな、と脅していきました。

翌朝、殿村家の前にごみが撒き散らかされていました。文句を言いに行こうとする殿村を正弘(山本學)は放っておけと相手にはしていません。厳しい自然と常に闘ってきた正弘にとっては、人間同士のくだらないいざこざは些細なこと、大切なのは殿村家の米を楽しみに待ってくれているお客さんなのです。

お客からのお礼のメールや手紙が届く中、財前からも手紙が届きました。「自分の手がけるプロジェクトがお父様の米作りを守る手助けになれるかもしれない。実現にむけて全力を尽くす所存です。」

愚痴なんかこぼしてる場合じゃないな、と殿村。いいコメを作れるように自分にできることをやりぬくだけ。

 

日本の農業の発展のために

殿村からその話を聞いて考え込む佃。最初にトランスミッションに目を付けたのは、殿村のトラクターに乗って強い可能性を感じたから。殿村の父や他の農業従事者の助けになりたかったからです。財前も同じ思いに違いない、だったら形はどうあれ世の中に出すのが一番。

「自分にできること。財前さんに頼まれた件、引き受けるよ、意地を張っていたら、日本の農業の発展を止めることになる。本末転倒だ。」

その話を聞いた山崎、社長らしいと大福にぱくつきました。

 

戸川のもたらした情報

的場は、新規プロジェクトの開発コードをアルファ1と決めました。記者発表を今月中に行うために、それまでにメンバーを固めろと奥沢に指示を出しました。財前がもたついていると、野木の代わりをあたる奥沢。

奥沢は、キーシンの戸川(甲本雅裕)に接触しました。戸川は野木を酷評します。頑固で考え方も古い、過去の人だと。奥沢は今月末までにと頼み込みます。その今月末という情報を、戸川は他のダーウィンプロジェクトのメンバーに伝えました。

 

奪われた大口注文

ヤマタニと並ぶ大手・キジマ工業から今期のエンジンの大口注文が入りました。トランスミッションとのセット販売です。新たな大口の仕事に社員は沸き立ちましたが、そのビジネスは重田工業とギアゴーストに横取りされてしまいました。ギアゴーストのトランスミッションの方が圧倒的にスペックが上だったのです。

エンジンだけだったら勝てたかもしれないという迫田(今野浩喜)。開発費ばかりが膨らんで利益になっていないトランスミッションは切り捨てようという考えです。

 

農業の未来を考える

野木を説得する佃

北海道、野木の大学

佃が野木を訪ねてきました。自動農業ロボットが途中で止まって難儀をしていたのを、佃が修理します。

佃は今回のことを野木に謝りました。「日本の農業を救おうとして何年も研究を続けてきてようやく腹を決めたのに、それが叶わなかった。」

佃製作所のエンジンとトランスミッションには、的場を説得できるだけの実力がなかったのだと佃は認めました。

「けどな、お前の研究は違う。世界に誇れるものだ。一日も早く世の中に出すべきもの。やっぱり帝国重工の力が必要だ。帝国重工には財前さんがいる。お前の研究を誰より理解している。財前さん以上に信用できる人間はいない。お前もわかっているだろう。」

 

佃のトランスミッションの最初の顧客

帝国重工と新規プロジェクトを進めてほしい、そう頼む佃に、野木はまだ渋い顔です。困っている農家の役には立ちたいが、力を貸すと決めたのは帝国重工ではなくて、佃になのです。

そこで佃は、うちのトランスミッションの最初の顧客になってほしいと頼みました。今すぐにでも本格的な実験用トラクターを望んでいた野木は喜んで同意しました。そして野木は帝国重工に協力することを決めました。

 

目指すは別次元のトランスミッション

佃はトランスミッション開発を続けることにしました。無人農業ロボットの開発を独自に進めるというのです。世の流れは無人ロボット、先を見据えて今から開発をするのだと言います。

無人農業ロボットは専門外という社員に、野木と組むことを伝えました。野木は、自動走行採用システムに対応した実験用の本格的なトラクターを必要としている、そのエンジンとトランスミッションを佃製作所が独自開発するのです。

野木の研究を手伝うことで農業全体の未来をも救える、今は利益は無いかもしれないが、財前のような農業の未来を考える人に必要とされる時が来る。

「目指すはギアゴーストを超えた別次元のトランスミッション。」

 

佃製作所のプライド

佃は、帝国重工で財前に報告しました。礼を言う財前に、謝る佃。危うく日本の農業の未来を止めるところだったと。財前のように、自分たちも日本の農業を支える力になって見せる、それが佃製作所のプライドです、と佃は言いました。

 

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佃製作所と野木の共同開発

最悪に鈍足なカメ

野木が、佃製作所を訪れました。財前が外され、代わりに窓口となった製造部長の奥沢が、開発コードを渡すように言ってきたと言います。野木の研究成果、極秘中の極秘、そんなものを渡せるわけがありません。キーシンのようだ、と先が思いやられる野木。

奥沢たちは無人のトラクターやコンバインが作れればそれでいいのですが、野木はもっと先を考えていました。コメ作りだけではなく、ジャガイモやトウモロコシなどあらゆる作物の収穫に役立てたい、そのように思っていたのです。それを理解してくれる佃製作所の一同に感動する野木。野木は喜んで通信システムについて説明をしました。

それを見ている佃と山崎。

山崎「帝国重工のことは面白くないが、ウサギとカメの物語と思って頑張るしかないですね。」

佃「うちはウサギか。」

それに対する山崎の答えは、カメに決まっている、それもカメの中でも最悪に鈍足なやつ、でした。

 

佃の物づくりに喜ぶ野木

佃製作所はエンジンとトランスミッションの試作品を完成させて、実験用トラクター第1号を野木の元へ届けました。市販のトラクターと比べて通信との連動性がいい、野木は大喜びです。

「物づくりはこうじゃないとな。帝国重工とは大違いだ。」

 

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下請けを見下す大企業

野木の技術を子会社へ

実は、奥沢がまた新たな提案をしてきたのです。今度は野木の特許を、100%帝国重工が出資した新しい会社に移そうというのです。それではまるで子会社、野木の技術をただでくれてやるようなもの、と佃も山崎も驚きました。

 

佃を下請けとして見下す奥沢

そこへ奥沢部長が来ました。自己紹介をすると、無関係の佃がこの場にいることが気に入らないようです。野木が、佃は研究の手伝いをしているのだと帝国重工に報告済みでしたが、奥沢の非難はやみません。どこでプロジェクトの情報が洩れるかわからないと。

佃製作所の一同を完全に下請け扱いで、今回の野木との橋渡しも下請けなら当然、帝国重工の一大プロジェクトの実現こそが最優先という奥沢に、佃は、優先すべきは農家の人の役に立つことと反論します。とにかくこちらの指示に従って帰るように、佃の力は必要ない、そう言って、奥沢は野木との話を別室で始めようとしました。

 

野木の啖呵

野木も我慢の限界です。開発コードを渡すと言い出しました。喜ぶ奥沢に、帝国重工だけではなく世界中に公開するというのです。そうなれば帝国重工の優位性は失われ、国内外の企業達が軒並み開発を始める。

『私だってあんたに頼まれた下請けだ。下請けが必要ないというなら、私の研究だって必要ないはずだ。そこまであんた達がすごいのならお得意の完全内製化で、自分たちの力だけでやればいいだろう。よそよりも優れたものを下請け抜きで作れるもんなら作ってみろ。』

野木は、今後は自分と話すときは財前を通すようにと要請しました。「私は言葉の通じる人間としか話をしない。それはあなたじゃない。お引き取り願えますか。」

佃製作所は胸のすく思いで見ています。奥沢は、小さな声で引き続きの協力を頼んで去っていきました。

野木「さあ、続きやろう。」

 

帝国重工の記者発表

部下の手柄は自分の手柄が的場流

次期社長を決定する取締役会が間もなく開かれるので、どうしてもこの時期に記者発表をしたかった的場。『部下の手柄は自分の手柄』が的場流です。

帝国重工で開かれた記者発表。的場が無人農業ロボットの説明をします。「無人農業ロボットアルファ1によって生産効率は上がり、収益率は飛躍的に向上。日本の世界の農業のあり方を大きく変える、産業革命を引き起こして見せます。」

 

帝国重工の強力なライバル

翌日の新聞には、帝国重工の無人トラクターは1面には載っておらず、ごく小さな扱いです。その時、テレビで無人トラクターのことが報じられました。しかしそれはアルファ1ではありません。

『無人トラクター・ダーウィン』

佃も利菜も、狐につままれた気持ちでテレビを見ていました。「これうちのトラクターじゃない。」

佃「やられたな。帝国重工に強力なライバルが現れたってことだ。情報も漏れてたんだろう。帝国重工の動きを知ったうえで、先手を打ったとしか思えない。中小企業が総力を挙げて帝国重工を倒しにきたんだ。」

佃は、昨日ばったり会った重田が、帝国重工の無人農業ロボットの記者発表や、佃が野木教授を説得したにも関わらず梯子を外されたことを知っていて、仇をうつと奇妙な笑顔で話していたことを思い出していました。

下町トラクター「ダーウィンプロジェクト」

開発プロジェクトのリーダーは重田です。

「下町中小企業の技術力、底力を日本のみなさんにぜひ知ってもらいたい。」

レポーターが今朝の新聞の帝国重工の記事を見せました。

「強力なライバルですが、日本を元気にするためにも、私たち下町で頑張ってきた中小企業、負けるわけにはいきません。一社一社たとえ力は小さくても、力を合わせて知恵を出し合って、大企業には負けないトラクターを心を込めて作ります。応援お願いします。」

 

第7話は、原作「下町ロケット ヤタガラス」では、2~3章に当たります。

下町ロケット ヤタガラス 原作のあらすじネタバレ2

下町ロケット ヤタガラス 原作のあらすじネタバレ3

 

ゴーストのカンタンあらすじはこちらから。『下町ロケット2』続編ゴーストのネタバレ 第4作『ヤタガラス』も含まれるか?

原作「ゴースト」のネタバレはこちらから。『下町ロケット2』原作「ゴースト」あらすじネタバレ一覧

原作「ヤタガラス」のネタバレはこちらから。『下町ロケット2』原作「ヤタガラス」あらすじネタバレ一覧

 

振り返りはこちらから。

6話はこちらです。下町ロケット6話感想あらすじ ロケットで思い出した原点 ヤタガラスがもたらした夢

5話はこちらです。下町ロケット5話あらすじ感想 トノへの不満さく裂。スーツの稲刈りで宇宙を想う。

4話はこちらです。下町ロケット4話あらすじ感想 裏切ってウィン⁴ 佃製作所の恩人が去る日

3話はこちらです。 下町ロケット3話 あらすじと感想 田植えデートと結婚への障害

2話はこちら。下町ロケット2話 あらすじ感想 マングースの案でヘビ野郎に対抗

1話はこちら。ドラマ「下町ロケット2」ゴースト1話あらすじ感想 泥くささとハイスペック

 

感想

帝国重工からのエンジンとトランスミッションの受注を反故にされ、さらに期待していた大口顧客までダイダロスとギアゴーストに取られてしまい、やる気を失くしてしまった佃製作所の社員たち。しかし、佃は殿村と話したことで、目の前のこまごました人間同士のいさかいよりも、もっと大きな農業の発展について思いを馳せます。

そして野木の説得へ向かった佃。的場が、佃の製品を切ったのは製品にそれだけの実力が無かったから。そして、日本の農業のためにと野木の背中を押します。まだ渋る野木に佃は新たな提案。野木の使っているトラクターは市販のもので使い勝手が悪い、そのトラクターを一緒に開発することになりました。

発動した二つのプロジェクト。佃たちとは生き生きとした顔で討論する野木教授。しかし奥沢の顔を見たとたん暗い顔になってしまいます。以前野木の技術を盗んだキーシンとまるで同じことを言ってくる奥沢。信用がおけないんですね。

奥沢は、佃と知るや速攻立ち去るように命じます。このプロジェクトは極秘、どこから漏れるか分からない、佃の力は必要ない。そこで野木の反撃開始。そこまで開発コードが欲しいのならくれてやる、ただし帝国重工だけではなく全世界に向けて。これには慌てた奥沢部長。そんなことをされたら自分のクビまで危なくなってしまいます。

今後は財前を通すように、言葉の分かる人間としか話さない、野木のきっぱりとした態度がかっこよかったですね。そして邪魔者は追い払ったとばかりにさっさと佃とのプロジェクトに戻る野木。野木教授にとっては、帝国重工よりもこちらのプロジェクトの方がよほど楽しくて有意義なのですね。

そして的場の次期社長に向けてのアピール、無人農業ロボットの記者発表の日がやってきました。しかし翌日の新聞では小さな扱い。一方テレビでは、昨日帝国重工が新規参入を発表したばかりの無人農業ロボットのデモが。

そのニュースを見ている人の顔が皆、怖かったです。佃と島津はこれが伊丹達の復讐かと気づいて驚愕、野木は自分の専売特許の自動走行を使う他のトラクターが現れたことに驚きます。復讐に燃える伊丹に、的場も思わぬ強敵の出現で怒りの表情。喜んで見ていたのはただ一人、佃のお母さん役の倍賞美津子さんでした。来週はドロドロになりそうな予感です。

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