あなたには渡さない3話 あらすじ感想 二人の愛人と手を組む。モデルの驚きの顛末。
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あなたには渡さない
開店してしばらくは盛況だった花ずみの客足が止まりました。理由の一つは八重が勝浪のスパイをして予約をキャンセルしていたこと、そして一度来た客がリピートしてくれないことでした。困る通子は、多衣の助言で先代の愛人・鶴代を味方につけることに成功しました。
六仙は通子を呼び出して絵のモデルをお願いします。しかし思いもかけない六仙の申し出に恐れをなし逃げ出した通子。中途半端を止める覚悟を決めて旬平の部屋を訪れました。
Contents
経営の苦しい花ずみ
意地を張り続ける通子
しばらくは繁盛していた花ずみでしたが、ぴたりと客足が遠のき予約も入っていません。理由の一つは、雑誌で紹介されている勝浪の料理が花ずみにそっくりであること。そして一度来た客が戻ってくることもありません。
経営が苦しくても返済はきちんと返す通子(木村佳乃)に、多衣(水野美紀)は女性としては敵でも商売の利害は一致しているのだから、困っていることがあれば相談するようにと言いますが、通子は大丈夫と意地を張りました。
八重のスパイ
料亭の経営が上手くいかず、つい笠井の会社に足を向けた通子。笠井は花ずみが大盛況と思っています。紹介した知り合いの社長がなかなか予約が取れないと怒っているとのこと。しかし花ずみには予約は入っていません。
考えられる犯人は一人だけでした。実は通子は六仙から、八重(荻野目慶子)と勝浪の前田の関係を知らされていました。太っ腹で気が良すぎるからと忠告を受けていたのです。
今まで無給で手伝ってくれた八重に、お金を差し出しこれまでの礼を言いました。大したことはしていないとお金を返す八重。通子は、八重と勝浪の前田とのつながりを知っていることを明かしました。八重は正直に話します。10年前から続いていた関係なのですが、最近、前田が若い仲居に手を出すようになったので、気持ちをつなぎとめるためにスパイをしていたのでした。
亡くなった口先だけは優しかった女将とは違い、通子は本当に良くしてくれたのにと心から謝る八重。
全てを認めてくれたことに礼を言って、今度はお給料を払って一から働いてほしいと八重に頼みました。先代女将の菊を憎む者同士、八重は味方だと思っているからと。しかし、八重は前田がつけこんでくると、前田と別れること、そしてこの店も辞めると決心しました。
二人の愛人
先代の愛人・鶴代
客が現れました。亡くなった義父の愛人だったという鶴代(萬田久子)と多衣(水野美紀)です。鶴代は旬平の料理を先代のものと比較して、味にコクが無い、色気が足りないと言いました。鶴代を苦々しい顔で見ている旬平(萩原聖人)。
酔っぱらった鶴代は酒を通子の着物にかけます。それは先代・女将の着物。女将に水をかけられて門前払いされた仕返しだと言います。布巾をカウンターに叩きつけて、鶴代を追い出そうとする旬平を押さえて、それで気が済むのなら今度は安い着物で待っていると通子。
それまで黙っていた多衣が、100万はくだらない結城を台無しにしたのだから、勘定は100万はもらえと口を出しました。愛人が奥さんの元に乗り込むのなら、門前払いされるくらいの覚悟で行くべき、逆恨みするなんてお門違い、と言う多衣。
無関係の客に口を出されたのが気に入らない鶴代でしたが、今日はつけで、と帰っていきました。
中途半端な通子
夜道を二人で歩く通子と多衣。多衣は、鶴代のことを女将から聞かされていました。鶴代は元芸者で顔が広い、自分を悪者にして謝りにいけば、店に客を紹介してもらえる、利用できるものは何でも利用するようにと言う多衣。
精いっぱいやっているという通子に、それがいけないと多衣は言いました。サービスもいいし、味もいい、値段も高くないから文句のつけようがないが却って息苦しい、サービス攻めにあってる気がする、花ずみを訪れた多衣の部下はそう言っていたのでした。
「通子さん、私が6千万をかけたのは壁があればそこに自らぶつかっていく一人の女です。今の中途半端なあなたじゃない。私の見込み違いだったかしら。」
通子の苛立ちを感じ取る娘
娘と上手く行っていない通子。母親の苦労を見せるといい、義姉の幸子にそう言われて、優美に店を手伝わせました。表面的には穏やかな夫婦を演じる両親に苛立ちを見せる優美。
話したいことがあるのならきちんと話すようにと通子が言うと、
「話したらどうにかなるの。借金のために形だけ離婚するなんて嘘っぱち。お父さんのこと許せないくせに、体はしがみついてるから本気で別れられない。私、毎朝、あんたの身体が苛立ってるの感じてるんだから。」
思わず優美を叩いた通子。
『優美は気づいていた。私自身にも見えない体の中でうごめく白アリのような苛立ちに。』
本妻と愛人
多衣のアドバイス
通子は意を決して鶴代に会いに行きました。そうしたのは多衣のアドバイスもありました。ああいうタイプは情にもろい。相談相手としてすがってしまえばいいと。
お詫びをするもの、先代の女将のように謝るのは口先だけ、本心は謝っていないと、通子を見抜く鶴代。多衣にアドバイスされたことも含めて全てを正直に話しますが、鶴代はいい子ぶっていると通子を認めません。
愛人向きの通子
精いっぱいやっているところがいけない、そう多衣に言われたことを思い出して、別方向から攻めることにした通子。自分も先代・女将の上島菊を憎んでいる、菊への意地から店を始めた、鶴代も菊のことが嫌いなら、手を貸してくれるようにと。
ふてぶてしいと言いつつも、いい子の顔を脱ぎ捨てた通子を、鶴代は気に入りました。鶴代は通子は愛人向きだと言います。本妻は、夫が絶対に自分の元へ戻ってくると信じている。男は自分を縛り付けてくれる強い女の腕の中にいる方が安心だと言います。多衣の方が本妻のようだと。
通子が素直に、自分が愛人向きなの、わかると認めると、鶴代は笑いました。
「わかっちゃいけないわよ。そういうところがあんた変よね。なんだか、私あなたの味方したくなってきちゃった。」
六仙のモデル
供養でモデル
鶴代のおかげで店は忙しくなりました。旬平に理由を聞かれて、愛人二人と手を組んだと笑顔を向ける通子。しかしまだまだ経営が苦しい状況は続いていました。
大角六仙に呼ばれた通子。
「うわー、素敵。」
六仙が通子を通した広間は、高級旅館のように海が見渡せました。道ならぬ仲だったある女性との思い出の場所だといいます。ある日「一緒に死にますか。」そうつぶやいて、その数日後に自殺してしまった、今日は20年目の命日だというのです。
その女性に似ている通子をモデルに描かせてほしい、供養になるからと。
戸惑いつつも承諾して、言われるがままに椅子に座って外を眺めました。床の上のキャンバスに描きだす六仙。
生涯最高の傑作
六仙は顔をしかめて、通子に近寄ってきてあちこちを確かめています。ふと通子が六仙のキャンバスをみるとそれは裸像でした。
「あんた自分でも気づいていない女の濡れを肌の隅々まで溢れさせている、それが服の隙間からのぞくんだ。そこもあの女にそっくりだ。悪いが脱いでくれんか。」
耳を疑う通子。通子の身体の柔らかさを上手く表せない、苛立った六仙は服を脱ぐように懇願しました。何もしないから、生涯最高の傑作を描かせてほしい、全財産を引き換えに。
戸惑う通子の頭に、他の人の言葉が頭をよぎりました。
鶴代「菊さん、店を大きくするために女の部分を使ったのよ。」
旬平「なんだかおふくろに似てきた。」
優美「毎朝、あんたの身体が苛立ってるのを感じてるんだから。」
通子は首を振って立ち上がりました。「先生、私そんな女じゃありません。」
外に出ると雨が降っていました。びしょ濡れで歩きます。
『私の女の部分を見透かされた。自分の半端さが年老いた老画家の枯れかけた男の部分を呼び覚ました。』
中途半端をやめる決心をした通子
旬平のアパートを訪ねた通子。驚く旬平でしたが中に入れてくれました。敷いてある布団をみて、多衣が買ったものだと気づきました。
旬平の目をみて、自分と多衣とどちらを愛しているのかと尋ねました。旬平は答えずに、偽装じゃなくて本当の離婚になってると思ったと言います。ずるさを感じつつもそれすらも魅力に思える通子。
「お前こそ、俺を愛しているのか、いないのかどっちだ。」
「愛してるわ。」
布団を畳んで片付け、新しい布団を押し入れから出して敷きました。その上に座る通子。
「改めて結婚してもらうつもりで来たの。」
よりを戻すつもりはないが、半端はもうやめる、ケリをつけて、これからは店と子供たちのために生きる、と通子。
旬平にはまだ2つ隠していることがありました。でも言いたくないといいます。通子はうなずいて、店の借金は自分の責任、旬平とは関係ないと言いました。
「私、今晩一晩のあなたをその六千万で買うつもりでここに来たんだから。」
抱き合う二人。
『旬平との決着をつけ、胸の中の炎を消したつもりの通子だった。しかし、いったん燃え始めた炎は決して消えることが無かった。』
2話の感想はこちらです。あなたには渡さない2話 あらすじ感想 醤油で書いた10万の書と新たな裏切り
1話の感想はこちらです。あなたには渡さない1話 感想あらすじ のけ者主婦が料亭女将に。6千万を要求。
感想
通子さんが一生懸命すぎて周りが息が詰まりそうになる、娘の優美ちゃんもそう言ってましたよね。思わぬところを多衣さんと鶴代さんから指摘されました。一生懸命すぎる通子を微笑ましく見ている人もいれば、逆に息苦しくなる人もいる、この違いはなんなのでしょうね。
その一生懸命さには敵を味方に変える力もありました。勝浪の前田の心をつなぎとめるためにスパイをしていた八重。通子は正直に全部知っていることを話し、その上で、お給料を払うから一緒に働いてほしいと頼みます。しかし、通子に恩を感じる八重は、自分がいると前田にどうしても付け込まれると店を出ていくことにしました。
逆に一生懸命さは、鶴代には通じませんでした。でも姑を憎んでいたのだから味方してくれてもいいじゃない、そういう言い方に変えると鶴代は笑って通子を気に入ってくれました。これは通子も自分自身で言ってましたね。八重とは女将を憎んでいた者同士、味方になれると。それを鶴代にぶつけることで見事に味方につけました。
鶴代に対する多衣の読みよりも、通子の読みの方が当たったことにも驚きます。ビジネスに対する意外なセンスがあるのかもしれませんね。
先週、妙に通子を気に入っていた六仙。自宅に招いてくれましたが、そこで思わぬ絵のモデルをすることに。いつの間にかヌードの絵を描かれていたことに驚愕する通子です。服を脱いでほしい、全財産をあげるから。店が上手くいってないことを考えると引き受けたほうがいいとは思うもの、どうしても引き受けられませんでした。
そして向かうは旬平の元。中途半端を止めることにした、でも旬平は多衣にあげる。ということはもしかして六仙の元へ戻って絵のモデルの続きをする覚悟を得るためだったのでしょうか。店のために。
でも・・・難しい話です・・・・
木村佳乃さんが好きだから見てるんですけど、可愛らしくてきれいな佳乃さんのせいであまりドロドロは感じません。ドロドロさよりも、愛人を巻き込んだビジネスに目が向いてしまいます。水野さんや萬田さんは迫力があるんですけどね。
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