遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます1話 感想 下駄のカランカランが怖い工藤官九郎
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最終更新日:2018/12/05
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます
宮藤官九郎さんの10分の脚本。違う人物が演じたらどうなるか。毎週豪華ゲストが出演します。1回目は小栗旬さん。工藤さんは、小栗さんに下駄で追いかけられて、ものすごく怖かったそうです。
Contents
役者の生き方が芝居に出る
遠藤賢一『世界中の俳優たちが残した名言、唯一共通しているのは、「役者の生き方が芝居にでる。」
同じ台本の同じ役でも演じる役者によって異なる。宮藤官九郎が書いた10分の脚本、それを違う役者が演じたらどう変わるか、勉強させていただきます。』
諸井情の事件簿 Case1赤い殺人鬼 オリジナル編
連続猟奇殺人、エスカルゴ。死体には必ずカタツムリのマークを残します。捜査にあたる、人情派の警部・諸井情(遠藤憲一)
特別医療刑務所で収監されている、日本史上最悪の連続殺人犯・ソンニバルに、エスカルゴについて話を聞きに来た、諸井と警部補・田所 篤。
稀代のサイコパスに話を聴けるのは5分だけ。一言も漏らさないようにと、ボイスレコーダーをオンにします。
ソンニバルは、椅子に体中を縛り付けられていて身動きできず、フェイスマスクのようなものをかぶらされています。ボイスレコーダーを持つ、田所に部屋を出ていくように指示するソンニバル。
快楽殺人者と言われているもの、殺人は息をするようなもの、感情を感じたことがないソンニバル。感情を1ミリでも動かせたら、ヒントを与えると約束しました。
上着を脱いで、床に座る諸井。ソンニバルが4年前に殺した女子高生の話を始めました。その日の朝、父親と部屋の片づけのことで口論。お互いに心残りで、帰ったら謝ろうと思っていたのですが、父親は生きている娘に会うことはなかった。娘の携帯には、未送信の文面が残っていて、父親へ謝罪していた。父親は一生、娘の部屋を片付けられないだろう。
諸井には娘はいないが、その犯人を殺しても殺したりないと思った。しかし今、その犯人に頭を下げている。これ以上不幸な親子を作らないよう、何としてもエスカルゴを逮捕したい。涙ながらに訴えます。
ソンニバル「エスカルゴの感情が動くことがあるとすればそれは殺人が完成されなかった時だ。」
病院に入院している被害者の美容師のことを思い浮かべる諸井。田所を呼んで、病院に急がせました。ソンニバルに笑顔で礼を言う諸井。
『多摩川署きっての人情派、諸井情、その名の通り情にはもろいが、事件には愛される男。彼には明晰な頭脳も冷静な推理力もない。ただ愚直なまでに、人を愛し情に流され涙を流す。』
代役に小栗旬
「撮影終了。オールアップです。お疲れさまでした。」
助監督が監督に慌てて何か話しています。
「嘘だろう。」
遠藤がどうしたかと訊くと、ボイスレコーダーを入れていたポケットが違うというのです。
そこだけ撮りなおそうと遠藤が提案すると、アシスタントプロデューサーは、田所役の俳優が急いで出て行ってしまい、連絡がつかないと言います。今日が納期で、後日撮り直しも不可能。
監督が誰か代役がいないか、というと、そこへ小栗旬が現れました。久しぶりと遠藤と会話を交わします。監督は、遠藤に頼み込んで、小栗旬に田所役をお願いしてもらいました。小栗は、ハンニバルならやりたいけど、セリフの少ない田所役は気が進みません。でもアドリブも入れていいし、というと、自分なりにやってみる、と承諾してくれました。
諸井情の事件簿 Case1赤い殺人鬼 小栗旬編
稀代のいかれポンチ
諸井情(遠藤憲一)と田所旬(小栗旬)。
諸井「諸井警部、自分、本日付で配属になりました田所旬です。憧れの諸井警部とバディが組めて光栄です。ところで奴さん、どうして急に喋る気になったんですかね。」
一言も漏らさないようにと言う諸井。田所はボイスレコーダーをオンにします。
「抜かりないです。相手は稀代の稀代の・・・いかれポンチですからね。」
『面会時間は5分、厳守でお願いします。』
呼び名を気にする田所
諸井「多摩川署の諸井です。えっとなんとお呼びしたらいいでしょうか?じゃ、世間一般的にソンニバルさんと。」
諸井さん、と田所。殺人鬼に「さん」はいらない、でも自分の呼び名はどうするのか、と気にします。
「何が?」
「田所旬。旬は俊作の俊じゃなくて、今が旬の旬です。無難に名字で田所か、あるいはぐっとフランクに旬か、または松潤ふうに田戸旬か。」
田所と素っ気ない諸井。じゃあ、名字名字で、と田所。
時間を気にして、先をすすめる諸井。
壁を感じる田所
諸井「ソンニバルさん、連続殺人鬼、エスカルゴについて教えてほしい。」
返事がすぐに来なくて苛立つ田所。「ソンニバル、返事は!答えろ!いつまでもだんまりが通用するとは思うなよ!」立ち上がって、鉄格子をつかみます。諸井が引き戻しました。
田所は謝るもの、諸井を責めます。自分は名字なのに、ソンニバルはあだ名なのが気に入らないのです。名字同士は壁を感じるのだと、と息を切らして力説します。
「分かった、あだ名で呼ぶよ。」
嬉し気な田所。
ここで田所は、エスカルゴの被害者の写真を見せるはずなのですが、小栗旬の田所は写真がどこにあるのか分かりません。あちこちを触りまくって、ようやく写真を取り出した遠藤。
「ソンニバルさん、もうあなたしか頼る人がいないんだ。」
「話すことはかまわん。だが、そいつをつまみ出してくれ。私は礼儀を重んじる。」
田所は興奮して「嘘だろう、嘘だって言ってくれよ。考え直してくれよ。最初にくすぐってきたのは諸井さんだよ。」
ソンニバルがボイスレコーダーのことを言っていると分かってほっとする田所。でも、席を外すことは拒否しました。
もろいの発音が気になる
ハンニバルが呼びかけました。「もろいさん。」
今度は、もろいの発音が気に入らない田所。平ぺったい発音ではなくて、もろいなのだと。延々と言いますが、諸井は、ひらぺったく、もろいだよ、と訂正しました。
「諸井さんは黙っててくださいよ。」
「お前が黙ってろよ。」
「はい!」
「人としてどうなんだ。」
ソンニバルは、人情派の刑事・諸井に自分の感情を動かしてみろとけしかけます。諸井は、上着を脱いで床に敷きました。
そこで、彼女と別れた話をしだす田所。信じられない顔で諸井は見ています。
「実は彼女が妊娠したんです。だから俺別れました。以上です。どうですか?」
諸井「お前、それ人としてどうなんだ。」
『5分経ちました。面会終了です。』
田所は「ちくしょう!」と壁を叩きます。
諸井は、その後が気になります。「そのあと彼女は?」
「知りません。」
「人としてどうなんだ、それは。」
ハンニバルに、感情は動いたかと訊く田所。
「動きっぱなしです。」
笑いだす二人。
外に出て一杯付き合え、という諸井の誘いを断る田所。嫌がる後輩を誘うのはパワハラです、と言います。笑う諸井。
収録後
工藤勘九郎「勉強させてもらいました。」
遠藤さんは、ゲラだからと、吹かないようにするのが大変だったようです。耐えたあと、変な芝居になってセリフが出てこなかったようです。
小栗さんは、自分用に当て書きされた脚本をみて、どうやったらこういうイメージになるのかと思ったようですが、工藤さんはすんなりと決まったようです。
初めて工藤さんと小栗さんが何人かで飲んだとき、気づいたら二人きり。なぜか逃げ出した工藤さんを、小栗さんが下駄でカランカランと音を鳴らしながら「工藤さん、なんで帰るんですか!」と追いかけてきたのが、ものすごく怖かったとか。
来年の大河ドラマの脚本を書かれる工藤さんですが、今回の仕事は息抜きにもなっているそうです。
小栗さん演じる田所は、『本気で情緒不安定』の設定だったようです。彼女と別れた理由は小栗さんが考えられたようで、これだ!と思ったものを言ったら、人としてどうなんだ、と言われてしまいました。
3話、高畑敦子さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます3話 遠藤さんは笑いを堪えるのに必死。
2話、仲里依紗さんと加藤諒さんはこちらです。
遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます2話 感想 28歳同士の親子
感想
最初のに比べて、小栗旬さんバージョンのほうは、小栗さんの顔がカメラにしっかり写っていることもあるのですが、まるで別ものでしたね。最初の田所さんは、無難に補佐の役目を果たす人物。小栗さんバージョンは、なんというか常に自分が中心になっていないと気が済まない、そんな感じでした。これが情緒不安定という設定につながるんですね。
どうでもいいことをいちいち大声でまくしたてる小栗さん、それに困っている様子の遠藤さんが笑えました。あれは笑いをこらえていたんですね。顔はマスクでよく見えなかったし、カメラにもあまり写っていなかったけど、ソンニバル役の人も笑いをこらえるのに大変だったでしょうね。
あれはそのまま脚本だったのか、それともアドリブがいっぱいだったのかどちらなのでしょうか?小栗さんバージョンの脚本はあったようなので、全部が全部アドリブではなさそうでしたが。ソンニバルが(感情が)動きっぱなしといったとき、二人で笑ってしまっていたので、二人のやりとりは、実はほとんどアドリブだったのかもしれません。
来週は、最近気になって仕方のない加藤諒さんが仲里依紗さんと出演されます。来週も楽しみです。
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